工芸染色の抜染に使えるように染工所で染めてもらった黒無地反物で抜染の実験をしてみました。黒無地の染料は反応性染料です。
ハイドロサルファイトの溶液で抜染できますが、苛性ソーダの溶液を加えることで、抜染の色味が変化することに気が付きました。
苛性ソーダを加えると鮮やかな青い色が出てきます。洗って完全に酸化させると少し彩度が落ちて落ち着いたブルーグレーになりました。
抜染液の溶液の割合や最初に生地に部分的に水を吸わせることで模様の色味や柄の出方が変化しました。
抜染液に浸したとき、藍色になりましたが、よく洗って完全に酸化発色するとグレーになりました。染料は全く加えていません。
黒無地反物はこちらです。https://store.shopping.yahoo.co.jp/sekkasibori/3-black.html
地色全体を染めてから抜染すると、重ね染だけでは出せないコントラストの強い染色が楽しめます。
しかしたくさんの生地をいちどににむらなく染めるのは体力的にも大変ですし、廃液の問題も有ります。
そこで染工所に依頼することにしました。
湯 1リットル ハイドロ30g 苛性ソーダ液30cc で試してみました。
濃い黒と、少し青みのグレーがかった黒の2色です。
既製品の黒い生地を試してみるといろいろな色の抜け方の生地があり、まったく色が抜けないものもあります。
直接染料も念のため試してみましたがほとんど色が抜けず、反応性染料だけがきれいに抜けました。大体期待した通りの抜け方です。
黒い反物が出来上がってくるのが楽しみです!
先染めした下地の色の濃度の違いと抜染したときの色の抜け方の違いは微妙で予測が難しい。
紫グレーに染めた地色より赤く染めた部分の地色の方が若干多く残った。
少し色がどぎつく感じたので、薄めた柿渋を何度も重ねた。秋の紅葉と枯れ葉のイメージです。
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地色を濃い赤と紫のレマゾール染料でグラデーションに染めてから、淡い黒のスレン染料で、雪花絞りを試みた反物です。
地色の濃い赤が抜けたところは少し赤味の渋い黄色が残った。
紫色が抜けたところは意外ときれいな緑になっている。この部分の地色はレマゾールの赤い染料が薄く、そこにターキスブルーが重ねてあった。
スレン染料 黒の雪花絞りは、ハイドロサルファイトと苛性ソーダの分量に対して染料を少なめにすると、色が全体に薄くなるというよりは、黒く染まる面積が少なくなるようだ。そしてレマゾール染料の地色が抜ける面積が拡がる。
一方で、地色のレマゾール染料は濃くしておいた方が、色の抜ける面積は少なくなる。
地色をグラデーションに交互に染めることで、スレン染料を浸透させたときの色の抜け方が均一でなくなるが、それが変化になって、かえって面白いと感じた。
浴衣に仕立てるときの柄合わせは、どこを上前に持ってくるかで若干印象が異なるのも面白いところ。
赤い模様が出ているところを顔の近くに持ってくると、帯揚げの色は緑に変えてみたくなった。
こちらは春の新緑のイメージにもなるだろうか?
浴衣として1枚でさらっと着るよりも、半衿や帯揚げなど、いろいろ変化を楽しみながら、カジュアル着物としてコーディネートを試してみたい。
この色目なら夏でなければならない理由はないし、やっぱり秋の紅葉の季節に合わせたり、お花見の時期に着られたらいいなあと、私は思っています。
着物は洋服と違って、重ね着したり、ウエスト周りは伊達締めだの 帯だの 帯揚げだの、いろいろこれでもかというほど巻き付けても、なぜか着ぶくれして格好悪いという感じにはならない。
だからいろんな紐とか布とかガラクタに至るまでコレクションして使ってみたくなる不思議な世界!?と思っているのは私だけ?
だけどやっぱり夏はあんまりぐるぐる巻きつけると暑い。
抜染の雪花絞りの生地を2種類組み合わせて、久しぶりにバルーンスカートを作ってみました。
地色をグラデーションに染めてから抜染した雪花絞りの反物のうち、浴衣に仕立てるには、ちょっとピンと来ないと思った染め上がりの生地ですが、スカートにしたら面白いかもしれない、ふとそう思いついて作ってみました。
生地はグラデーションに染めて、色味に変化があるので、最初の1枚めは全部同じ反物で作りました。
今までに作った雪花絞りのスカートとは、ひと味違った雰囲気?
そう思いつつ染まった反物を眺めているうちに、やっぱりグラデーションでも2種類組み合わせたほうが面白いいのではないか、この組み合わせはどうだろう?そう思って作ったのが上の写真です。
地色は赤紫からグリーンのグラデーションに染めた2種類の反物。それぞれ黒のスレン染料で地色の抜染を兼ねて染めたものですが、色の抜け方がかなり違います。
上は思ったより抜けすぎてしまい、下は地色が残りすぎたと思ったのですが、両方合わせてみると同系色の濃淡で変化のある組み合わせが出来ました。
うーん(゜-゜) こっちの方が面白い・・・・
2反の反物を195cmにカットして、4枚分のスカートと、おそろいの2mのストールを2枚分とることができました。
裏地はインド綿のざっくりとしたガーゼ地のようにも見える、からみ織のショール生地を2重にして使っていましたが、もう残り3枚分とったら在庫がなくなりました。この生地は気に入っていたのですがもう手に入りません。
これがなくなったら手ぬぐい地の特岡を裏地に使ってみるのもよいかもしれない。こちらはひとえで十分なボリューム感が出せるし、とても肌触りは良かったし.....
秋色の雪花絞り反物
レマゾール染料で黒と赤のグラデーションで染めた反物を、スレン染料の黒で、抜染と染色を兼ねて染めだした雪花絞りは、黒地の部分と赤い地の部分でギャップがありすぎるように感じました。
そこで柿渋を重ねてアルミ媒染し、えんじゅの黄色を重ねました。
これで、黒地の部分の雪花模様の色が抜けたところが、黄色みの柔らかい色になり、前より落ち着いたと思います。
それでも前回試した黒だけのグラデーションよりコントラストが激しいので、着物に仕立てたら、どんな雰囲気になるだろうと思い、さっそくボディーに着せてみました。
予め、白地を残してレマゾール染料の黒の濃淡で染めた反物を折りたたんで、スレン染料黒の雪花絞りを染めました。
スレン染料に浸す前に、高温で溶いたレマゾール染料でかすかな赤の色注しをしています。
レマゾール染料の黒1色だけなので、他の2色のグラデーションの地染め反物よりは地染めが楽でしたが、このぐらいでも、全部黒1色に染めてから抜染するよりかえって面白いと思いました。
赤と黒のグラデーションの地色に、薄めたスレン染料の黒。黒地のところと赤の地色のところと、色の抜け方が全く違ったのは予想外だった。
黒のところは以前地色を全部黒に染めたときの抜染とほぼ同じ染まり方をしたが、赤のところは思ったよりだいぶ抜けてしまった!
つながりがなさ過ぎるような気がするので、もう一度全体に黄色を重ねたら、もう少しましになるだろうか?
こちらも赤と黒のグラデーションの地色は上と同じ。スレン染料の黒はさらに薄めて、ハイドロサルファイトと苛性ソーダを足して、より色が抜けやすいようにした。そして、スレン染料に浸す深さは浅くしてみた。
レマゾール染料の黒地の部分は全く予想外の色の抜け方をした。真っ黒に残ったところと、なぜかグレーに残ったところと、くっきりと2色に分かれた。これはスレン染料の色ではない!
赤いところはもう少しだけ色が残ってほしかったが・・・・なかなか思い通りにならない。
これで、スレン染料の状態は同じでも、レマゾール染料の濃度で、ずいぶん色の抜け方が違ってくることはよくわかった。
地色を生かした黒から白のグラデーションは大体思った通り、きれいに染まったと思いますが、赤と黒のグラデーションはギャップがありすぎて、イメージ通りにはならなかった。
レマゾールの黒をもっと薄めてグレーと赤のグラデーションの地色を作ってもう1度挑戦してみたくなった。
紫とエメラルドグリーンのグラデーションの地色は染めるのにいちばん苦労したので、まだもう少し慣れるまで保留にしておこう!