嵐絞りのストールとマスク
もう一度嵐絞りの折りたたみマスクに挑戦してみました。
嵐絞りはだいたい45度ぐらいの角度に絞っているので、生地をバイアスに使うと、縦縞か横縞、どちらも可能です。
前は横縞で作ってみたのですが、何となくぴんと来なかったので、今度は縦縞にしてみました。
折り畳んだ生地の両端は外に出さずにマスクの中に納めました。こちらの方がすっきりシンプルな形になりました。
これならストールとおそろいにしてもいいかな?
もう一度嵐絞りの折りたたみマスクに挑戦してみました。
嵐絞りはだいたい45度ぐらいの角度に絞っているので、生地をバイアスに使うと、縦縞か横縞、どちらも可能です。
前は横縞で作ってみたのですが、何となくぴんと来なかったので、今度は縦縞にしてみました。
折り畳んだ生地の両端は外に出さずにマスクの中に納めました。こちらの方がすっきりシンプルな形になりました。
これならストールとおそろいにしてもいいかな?
マスクって顔の半分ぐらいを占めるので、ある意味服やアクセサリーより目立つ。だったら実用的な目的だけじゃなく、もうちょっと遊んでもいいんじゃないかと思った。
そこで、ストールとマスクをお揃いで作ってみたくなった。
嵐絞りで一緒に染めて、試しに作る。
嵐絞りのストールはまあ普通で違和感ないけど。マスクはかなり風変わりな印象だ!想像していた以上に強く目立つ。
まあいいか。今度これで出かけてみよう。マスクだけだとかなり浮きそうだけど ストールと一緒なら緩和されるかな?
マスクの内側、布の両端のジョイント部分は、1か所だけクリップで留めました。こうすると型崩れしなくて安心して着脱できることに気が付きました。
マスクを外した時は二つ折りにしてこんな形になります。ふっくらした形で、巾着みたいです。
平置きだと裾が広がって富士山みたいな形ですが、その部分であごを包むように装着します。
生地の両端が三角に飛び出した部分が側面に回り込みます。ここはマスクとして余計な部分ですが、花びらみたいな形で少しだけはみ出すのが私は気に入っています。ここで縫っていないんだってアピールしたい。
自分の顔に合わせて形を作るので、ダブダブせずにぴったり立体的なマスクになりますが、きれいな曲線を描くように装着するには、ちょっとコツがいるマスクになりました。
うーん、最初に思ったほど簡単でもないか?
麻崑スラブの浴衣反物と同じ経糸、横糸だけ打ち込み本数を減らして透け感のある薄手のストール生を試作してもらいました!
横糸は40番手のコーマ糸 左の方が横糸の打ち込み本数が少なくて透け感があります。
横糸をスラブ糸ではなく、細いコーマ糸にしたことで、縦のランダムな縞模様が際立ちました。
左の画像は浴衣地と同じ横糸がスラブ糸ですが、打ち込み本数を減らしたものです。
最初は横糸をスラブにするつもりでいました。けれども こうしてサンプルを見比べると、コーマ糸の方が縦の太い線の縞模様が強調されてすっきりと見え、コントラストがきれいだと感じました。
薄手ですが、ガーゼ生地などと違ってとても折りたたみやすく、雪花絞りや板締め絞りが綺麗に染められそうです。特に小柄の雪花絞りには折山が がさばらなくなるのでうまくいきそうです!
縦の縞模様が目立つので、嵐絞りの斜めの線と交差させても面白そうです。
嵐絞りの2枚のストールを着物風に身に着けてみました
大判のストールをふわっと肩にかけて、というスタイル。見た目には優雅ですが、実際に身に着けてみると、腕の動きを妨げたりして意外と着にくい。
そこで着物の着方を取り入れて、帯板など使って形を作ってみたらどうだろう?そう思いついて試してみました。
着物用の紐と帯板を利用して前をあわせ、腕の動きを妨げないことを確認してから、帯板をもう1枚のストールで包むようにして結びます。
2枚の長方形の布が着物風のベストになりました。ストールを肩にかけるだけよりずっと動きやすいです!
帯はカルタ結び。
この結び方は、帯にまったく結び目を作らないのにしっかりと締めることができて、初めて知ったとき感動しました。
ただまったくボリュームが出ないだけに、着物でドレスアップしたいときはちょっとこのままでは物足りない感じも。
どちらかというと、女性の労働着のむすび方だったのではないかなあと思っています。
このカルタ結び、サッシュベルトのようでもあり、意外と洋服と相性がいい。
帯の結び目は後ろに回さずに斜め前にしておくと、ちょっとした物入れにもなって便利です。
シルクは一度熱を加えるとしわが取れにくくなる性質があるので、絞りのしわをある程度固定することが出来ます。
柿渋を加えて固めることで、嵐絞りのプリーツのようなしわを、洗ってもあまり伸びないように加工することができます。
シボの中に空気が入ることでボリューム感をいっそうきわだたせることができるので、ふっくらとしたボリューム感を生かすむすび方をしたいと思います。1)ストールを半分に折りたたんで肩にかける
2)わの方にストールの端の紅い方を入れ、わの部分を1回ねじって黄色の端を通します。ここまでは藍の嵐絞りのストールの巻き方3と同じです。
3)さらに紅い方の端を黄色のほうの下から交差するようにわの中に通します。前回のストールの巻き方3より交差の回数が1回多い長いストール向きの巻き方です。
形を整えて完成です。あまりきつく閉めずにゆったりと巻くときれいです。嵐絞りのしわ加工が空気を含んで、ふっくらとした暖かさがあります。男女兼用の巻き方です。
2)輪になっている部分にストールの片方の端を通します。
3)輪になっている部分を1回ねじり、そこにもう片方のストールの端を通します。
4)形を整えて出来上がりです。ゆるめにふっくらと巻くと適度なボリューム感がでます。
竹繊維のストール生地をたくさん仕入れたので、長めのストールの巻き方を、いろいろ考えてみました。
少し厚手のしっかりしたタイシルクの大判のストール生地が手に入りにくくなったので、いつも雪花絞り用のコーマ綿反物を仕入れている織り元の工場に昨年の夏出向いて選びました。
柔らかくさらっとしていてドレーピングがきれいに出来る生地ですが、やっぱり紬の絹のような暖かさは無いので、春夏向きの雰囲気です。どちらかというと草木の柔らかい色より科学染料や藍ではっきり染めた方が色の映りがよいように感じました。
嵐絞りの少しよろけたストライプがさざ波のようにも見えて、生地のドレープを引き立てています。
ストールの両端を片方に流す巻き方は、すっきりとして目線が縦にいくので、スマートに見せる効果があります。
2)向かって右のストールの端をもう片方のストールの端の下に通して折り返します。
3)折り返した先を首の中に入れ、2重になった生地の間から引き出して形を整え完成です。
シルクストールを嵐絞りにして柿渋で固めると、プリーツ加工のような襞のある生地になります。
シルクの絞り染めは、熱を加えると絞りのしわが残るのですが、水洗いするとやはり伸びてしまいます。そこで、洗濯してもシボが無くならないように柿渋で固めて蒸しています。
ただ、この方法だと柿渋をかなり濃くするので、渋いダークな色ばかりになってしまいます。そこで春らしい明るい色も出来ないかなと思い、こんにゃく糊と併用してみたらどうだろうと思いつきました。。
柿渋もこんにゃく糊も紙子の衣などに使われていたもので発水性が出せるのですが、こんにゃく糊には色が有りません。そこで今までこんにゃく粉を使ってみたものの、効果があるのかないのかピンと来なくて途中で放置したままになっているのがありました。
嵐絞りをする時は絞る前に全体に薄めた柿渋を浸透させて、少し生地をぱりっとした状態にしておいた方が絞りやすく、プリーツのような襞もきれいに出ます。これをこんにゃく糊でやってみれば、柿渋の使用量を減らすことが出来るはずです。
柿渋は全体に浸みこませると糸が痩せるような感じで、その分薄手の生地などは透け感が出て生地の風合いが変わります。
こんにゃく糊の場合は、生地がパリッとしますが、糸が痩せるという感じはありません。普通の糊をつけた状態と見た目は変わらないのですが、水洗いをした後もこんにゃく糊の効力が残っているのか?それとも洗い流されてしまっているのか?色がないのでいまいちピンときません。
余分についたこんにゃく糊は洗い流されているような感じが有りましたが、それでも生地の張りは残っていました。洗いが不充分なだけなのか、洗っても残るのか、心もとない思いもありましたが、とにかく嵐絞りをして柿渋を刷毛で塗り、乾かしました。
すっかり乾いてから糸を外すと、こんにゃく糊を使っていない時より、嵐絞りの筋がくっきりと出て、柿渋の折山のところがかなり固くなっていました。もっと柿渋を薄くしても良かったのではないか?こんにゃく糊の効果は思った以上でした。
さっそく蒸してしわを固定してから水洗いをします。地色にはあまり柿渋の色が出ていないので、いつもより明るい色に仕上がりそうです。ただいつもよりかなり生地が硬くなってしまっているので何とかもう少し柔らかくしたい!
草木の色を重ねて煮染めしているうちに柔らくなるだろうか?
いつもより軽い色に仕上げたいと思ったので茜は1番液を避けて2番液、を使ってグラデーションに染めます。絞りのしわが延びないようにいつもは少し冷ましてから染めるのですが、今回は思い切り熱い染液に浸しました。
さらに淡いインド藍でストールの端をかすかなグラデーションに染めて少し紫がかった茜色を作ります。さらに淡いエンジュの染液に全体を浸して色を和らげました。
パステルトーンに染まりましたが、眺めているうちに、もう少しビビッとな色も入れたくなったので、もい一度茜を煮出して3番液をストールの片側だけに重ねてしっかり染めました。そうこうしているうちにやっと生地が少しは柔らかくなってきました。
有松絞りの技法で嵐絞りという絞り技法があります。
円柱に生地をらせん状に巻きつけて、糸を等間隔に巻きつけ押し縮めると、細いプリーツ状のしわができます。
浴衣生地だとこのしわは伸びてしまいますが、横なぐりの雨のような斜めの線の模様が出来ます。激しく降る雨を連想させるので嵐絞りというそうです。
有松絞会館と名古屋市博物館では、嵐絞りの驚くほど繊細な収蔵品を見ることが出来ます。
なかなかこんなに繊細な嵐絞りは出来ませんが、この絞りを薄地のストール生地に応用しています。
藍染めではなく、柿渋を刷毛で塗り重ね乾燥させます。円柱はまるいタッパーを使っています。完全に乾いてから糸をほどいて布をタッパーから外すと、左の画像のように柿渋で固まっています。
しばらく放置して柿渋が定着するのを待ちます。その後蒸して熱を加えることで一層堅牢度が増し、しわもしっかりと定着します。
ぬるま湯で洗いながら余分な柿渋を落とします。ここで完成にするときは柔軟仕上げ剤で柔らかくします。さらに草木の染料を加えるときは、媒染剤に浸してから色を重ねます。
柿渋で固めてしわ加工するので、元の生地よりはりが出て少し硬い感じになります。
柿渋が少なすぎるとしわがきれいにつかず、伸びてしまいます。多すぎるとばりばりになってしまうので、柿渋の加減がポイントです。
天気が良く空気が乾燥している日にいっきに乾かしてしまわないとうまくいきまっせん。最近は天気の良い日が多かったので、今のうちにと思ってたくさん絞りました。後で徐々に色を入れていくつもりです。