地色をグラデーションに染めた抜染雪花絞り、2通りの柄合わせ
地色を濃い赤と紫のレマゾール染料でグラデーションに染めてから、淡い黒のスレン染料で、雪花絞りを試みた反物です。

地色の濃い赤が抜けたところは少し赤味の渋い黄色が残った。
紫色が抜けたところは意外ときれいな緑になっている。この部分の地色はレマゾールの赤い染料が薄く、そこにターキスブルーが重ねてあった。
スレン染料 黒の雪花絞りは、ハイドロサルファイトと苛性ソーダの分量に対して染料を少なめにすると、色が全体に薄くなるというよりは、黒く染まる面積が少なくなるようだ。そしてレマゾール染料の地色が抜ける面積が拡がる。
一方で、地色のレマゾール染料は濃くしておいた方が、色の抜ける面積は少なくなる。
地色をグラデーションに交互に染めることで、スレン染料を浸透させたときの色の抜け方が均一でなくなるが、それが変化になって、かえって面白いと感じた。
浴衣に仕立てるときの柄合わせは、どこを上前に持ってくるかで若干印象が異なるのも面白いところ。
赤い模様が出ているところを顔の近くに持ってくると、帯揚げの色は緑に変えてみたくなった。
こちらは春の新緑のイメージにもなるだろうか?
浴衣として1枚でさらっと着るよりも、半衿や帯揚げなど、いろいろ変化を楽しみながら、カジュアル着物としてコーディネートを試してみたい。
この色目なら夏でなければならない理由はないし、やっぱり秋の紅葉の季節に合わせたり、お花見の時期に着られたらいいなあと、私は思っています。
着物は洋服と違って、重ね着したり、ウエスト周りは伊達締めだの 帯だの 帯揚げだの、いろいろこれでもかというほど巻き付けても、なぜか着ぶくれして格好悪いという感じにはならない。
だからいろんな紐とか布とかガラクタに至るまでコレクションして使ってみたくなる不思議な世界!?と思っているのは私だけ?
だけどやっぱり夏はあんまりぐるぐる巻きつけると暑い。