雪花絞りの浴衣と単衣着物

2017年9月 7日 (木)

地色をグラデーションに染めた抜染雪花絞り、2通りの柄合わせ

地色を濃い赤と紫のレマゾール染料でグラデーションに染めてから、淡い黒のスレン染料で、雪花絞りを試みた反物です。

濃いピンクの帯揚げをアクセントにコーディネートにしてみました。

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地色の濃い赤が抜けたところは少し赤味の渋い黄色が残った。

紫色が抜けたところは意外ときれいな緑になっている。この部分の地色はレマゾールの赤い染料が薄く、そこにターキスブルーが重ねてあった。

スレン染料 黒の雪花絞りは、ハイドロサルファイトと苛性ソーダの分量に対して染料を少なめにすると、色が全体に薄くなるというよりは、黒く染まる面積が少なくなるようだ。そしてレマゾール染料の地色が抜ける面積が拡がる。

一方で、地色のレマゾール染料は濃くしておいた方が、色の抜ける面積は少なくなる。

地色をグラデーションに交互に染めることで、スレン染料を浸透させたときの色の抜け方が均一でなくなるが、それが変化になって、かえって面白いと感じた。

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浴衣に仕立てるときの柄合わせは、どこを上前に持ってくるかで若干印象が異なるのも面白いところ。

赤い模様が出ているところを顔の近くに持ってくると、帯揚げの色は緑に変えてみたくなった。

こちらは春の新緑のイメージにもなるだろうか?

浴衣として1枚でさらっと着るよりも、半衿や帯揚げなど、いろいろ変化を楽しみながら、カジュアル着物としてコーディネートを試してみたい。

この色目なら夏でなければならない理由はないし、やっぱり秋の紅葉の季節に合わせたり、お花見の時期に着られたらいいなあと、私は思っています。

着物は洋服と違って、重ね着したり、ウエスト周りは伊達締めだの 帯だの 帯揚げだの、いろいろこれでもかというほど巻き付けても、なぜか着ぶくれして格好悪いという感じにはならない。

だからいろんな紐とか布とかガラクタに至るまでコレクションして使ってみたくなる不思議な世界!?と思っているのは私だけ?

だけどやっぱり夏はあんまりぐるぐる巻きつけると暑い。

2017年2月16日 (木)

地色をグラデーションに染めた抜染雪花絞り反物の仕立てと柄合わせ

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地色をグラデーションに染めた抜染の雪花絞りの柄合わせを確かめたくて、試しに仕立てに出してみました。

地色が紫のところとグリーンのところでは、雪花絞りの柄の出方も違います。

片身変わり仕立てのような雰囲気になるとは思っていたのですが、裁断の仕方で仕立て上がりの印象も変わりそうなので、ちょっと不安もあります。

上前の柄合わせを最優先にして、だいたい地の色を交互にずらすように頼んでみました。

実は上前だけはグラデーションの地色をだいたいあわせるか?それとも交互にずらすか?だいぶ迷いました。

結局、後ろの背縫いと同じように交互にずらす方を選んでしまい、仕立てあがったのを見て、ちょっと失敗したと思いました(u_u。)

完全に連続しなくても上前は大体グラデーションをそろえた方が、ここはスッキリまとまったかなとちょっと後悔しています。

あるいはあまり深く考えず、成り行きに任せて適当にずらしたくらいでも良かったかな?とも思いました。

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帯は、古いもので、お太鼓に結んでいた形跡がありましたが、御太鼓お部分に限って汚れが若干目立つので、半分に折って半幅のように使ってみました。

貝の口に結んだら分厚くなって結びにくいように感じたのですが、半幅帯よりボリュームが出て、女性的な貝の口になったように思います。

たれ先はさすがに4重に畳むのは無理だったので、扇型に開いて、中をゴムで止めました。

帯はひもや帯締めでしっかり固定しました。ひもは帯揚げでくるんで隠しています。

この浴衣は「仕立ててネット」 に仕立てていただきました。

2016年8月22日 (月)

地色をグラデーションに染めた抜染雪花絞り反物の柄合わせは?

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地色を等間隔でグラデーションに染めた場合、柄合わせによって仕立て上がりのイメージがだいぶ違ってくるのではないかと思い、どんな柄合わせが可能か、黒のグラデーション反物で確かめてみました。
 
長着の断ち方を参考にしながら、大体こんな感じだろうか?
 
最優先したいのはやっぱり一番目立つ上前の身頃と衽をどう合わせるかですが、ここはグラデーションの濃淡をそろえずに、ずらしてみたい。どのくらいずらすかは要尺の都合で多少変わるので、ここはアバウト。
反物は13.5メートル近くある。1反としてはかなり長めに染めているので、多少の融通は利くはず。
 
雪花絞りの柄合わせでは、上前の見頃と衽の縫い目が見えなくなるようにぴったりと柄を合わせることが多いように思いますが、ここをあえてずらすことで、細く見えるのではないかと思います。
 
右見頃と左見頃でグラデーションの濃淡の位置を左右対象にあわせて、例えば黒地のところが裾になるようにする場合、グラデーションの位置がそろうように、染める前に計算して位置を決めなければならなかったと気づいたが、べつにそろえる必要も無いかな?
 
この反物の場合、衿は身頃の地色と交互になるようにしたい。
 
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2016年6月18日 (土)

地色をグラデーションに染めた抜染雪花絞り反物の仮着装

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ちょっと色がどぎついかな?失敗かな?と思ったのですが、気を取り直して、着物に仕立てたらどんな雰囲気になるだろうと思ってボディーに着せてみました。
 
先に地色を反応性染料でグラデーションに染めてスレン染料で抜染、染色をした雪花絞りは、地色が紫のところとグリーンのところで、色の抜け方が違ったため、雪花の模様の出方もかなり違った印象になりました。
 
これが最初失敗と思った理由ですが、雪花絞りは同じパターンの繰り返しだし、柄が目立つだけに、全体が同じ調子になることに少々飽きてもいました。
 
今までの雪花絞りのイメージとは違って面白いかもしれない、そう思い始めました。
 
しかし、着物に仕立てたとき、どこにどの色が来るか、全然考えずに染めてしまった。裁断はどうなっていたっけ?右肩と左肩は違う色が出るように仕立てたほうが面白そうですが、裾はどうなるだろう?背縫いの柄合わせは?
 
地色を染める反応性染料の抜染も、色によって抜けぐわいが違うので、もう少し試してみないとわからないことが多いしで、まだ着物を仕立てられるようなレベルになるまでは時間がかかりそうです。
 
 

2016年4月23日 (土)

夏以外に着たい雪花絞り着物のコーディネート片身替わり仕立て

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肩身替わり仕立ての雪花絞り着物、今まで何度かコーディネートを試みてみたものの、なんとなく、ぴったりと合う帯が見つからなくてぴんとこない。

こういう場合帯揚げを帯の上に出すことで新たな変化をつけることは出来ないだろうかと考えた。帯ほどがさばらないし、洋服のストールでも代用できる。

今回選んだ帯はアンティークの少し渋めの朱色の帯、未使用なのか?ぜんぜん折り目が付いていない。どんな結び方をしていたんだろう?

少ない知識を総動員して、自己流に考えてみる。基本はカルタ結びがベースですが、これは半幅帯ではなし、縦半分に折りたたんで、普通のカルタ結びにしてもかっこうがつかない。

お太鼓は嫌いだし帯枕は使いたくない!今回もストールの帯揚げは後ろで結び目を作って、そのボリュームを帯枕代わりにする。

帯の結び方はカルタ結びとふくらすずめ?のあいのこみたいな結び方、これで結構様になったんじゃないかと思う。

色味としては、帯の朱色だけより帯揚げストールの黄色味の無いピンク系の色が入ったほうが、豊かな感じがする。

帯締めはムラ染めの皮ひも、半衿は正絹の鹿の子絞りの端切れ、帯揚げストールは嵐絞り、帯以外は絞り尽くしのコーディネートです。

もちろん夏ではなくて、気候の良い時期に着たい雪花絞り着物のコーディネートです。

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2016年4月 1日 (金)

嵐絞りの半衿

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半衿を着物より濃い色にしてみました。帯揚げと色違いの嵐絞りです。

2016年3月30日 (水)

雪花絞り着物のお花見コーディネート

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雪花絞りの模様は桜の花びらのようにも見えるので、今年はぜひお花見に来て出かけたいと思っていました。

地色は淡い若草色、まだ肌寒さも残っているので、長じゅばんは冬用を選びました。実家に有った古い襦袢で、正絹ですが綿の裏地がついています。

半衿はオフホワイトの帯地だった生地を使いました。厚手の生地なので暖かそうに見えます。この時期着るなら衿は広衿、ばち衿よりやっぱり暖かい。

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 どこかに桜の色を感じさせるピンクを入れたかったので、プロシオン染料で地色を明るいピンクに染めた嵐絞りのストールを帯揚げに選びました。

 帯はお気に入りの羽根付きかるた結び。少しボリュームを加えたいので、帯揚げは後ろに結び目を作り、帯枕のように利用します。

 カジュアル感を強調したいので、帯締めは皮ひも2本、足袋は色物にしました。

 桜の時期はけっこう風も強かったりするので、長じゅばんの下はすそよけ代わりにマキシム丈の薄手のギャザースカート、これですそが強風にあおられてめくれてもとりあえず安心です。

 いつでも着物で生活しているわけでもないし、ぎこちなく無理して着るよりファッションのバリエーションとして、染織を生かす手段として、着物を楽しみたいと思います。

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2016年1月20日 (水)

桜の花の下で着たい雪花絞り

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雪花絞りの染色用に折りたたんだ反物の三角形の底辺に、ほんの少し水を吸わせてから急いでスレン染料の染浴の中に入れて染めることで、小さな花形が白く抜けるように意識して染めました。

薄墨のような黒のスレン染料の柔らかな濃淡の中に浮かぶ小さな花形を桜の花に見立てて、地色は柿渋で下染めしてから、淡い茜を重ねました。

どんなコーディネートにしたら引き立つだろうかと思いながら、仮着装してみました。帯締めをPinterestで見つけた画像を参考にハート型にアレンジしました。

木綿の雪花絞りは、やはり真夏よりも春秋に着たいと思います。

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2015年12月23日 (水)

スレン黒の雪花絞り着物と雪花絞り半衿のコーディネート

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半衿と帯揚げをセットにして雪花絞り着物とコーディネートしたいと思い、細幅の竹繊維のガーゼ生地も雪花絞りに染めました。

こちらは生地が薄いので縦に2つ折して、生地を2重にしてから折りたたみます。浴衣地より細かくたたむことが可能ですが、腰が無くてたたみにくいので、アイロンを使いながら三角形にたたみました。

地色を紫グレーに染めてからたたみ、スレンの黒で抜染しながら同時に染めます。

染浴に沈めるタイミングに注意しながら最終的に全部染料の中に沈めました。その後30分ぐらい沈めたままにしておいたので、折山がかなり濃く染まったように思います。色の抜けたところがこちらは黄色身がからず、グレーに抜けました。色のバランスはかなりうまくいった方だと思います。

雪花絞り着物は柄がかなり強いので、柄物の半衿と合わせるのはなかなか難しいのですが、ぴたっと決まったときはうれしくなります。この浴衣地とのコーディネートで白い帯と合わせたときはぴんとこなかったのですが、黒い帯に変えたら良くなりました。皮の帯締めのムラ染めもたまたまよく合いました。

アンティークの帯は幅が細いものが多く、普通の帯板でははみ出してしまうので、帯揚げ代わりにストールで覆い隠してコーディネートしてみるのも面白いとおもいます。

2015年12月16日 (水)

黒のスレン染料で染めた雪花絞り着物のコーディネート

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反物だけで見ているよりやっぱりボディーに着せてみた方が仕立て上がりがイメージしやすい。

どんな帯や半衿とあわせたらいいだろう?と思いながら着せてみました。

今年の4月は千鳥が淵にお花見に行ったのですが、浴衣を着ている人を意外とたくさん見かけたので、雪花絞りで桜の花の中に紛れ込んだら楽しいだろうなと思いながらコーディしてみました。

スレン染料の方がインディゴピュアよりふわっとぼやけて柔らかい感じに染まるので、桜をイメージしながら、地色を淡い茜色に染めたのも作ってみたいと思っています。

フォト

せみのはねの雪花絞り

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     染めるたびに少しづつ違ってしまって狙った通りに染めるのが難しい雪花絞り。 いつか理想の雪花絞りを染めることを夢見て、雪花絞りの染色の記録を撮り続けています。

天然染料、草木染め

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