雪花絞り反物の染色

2018年11月26日 (月)

綿麻スラブ反物の雪花絞りの地色

久々にブログの更新です!最近ちょっとブログの更新がおろそかになっていましたが、久しぶりに記録を残しておきたいと思いました。

今回記録しておきたい生地は、手紬風の凹凸のある糸がランダムに混じったスラブ生地。麻が15%入っています。15%というと割合としてはかなり少なく感じますが、それだけでも綿100%のスラブ生地とは随分質感や手触りが違います。

木綿は縦横同じようにしわが出来るのに対して、麻は1方向に独特のしわが出来る。少し張りがあって綿より折り目がつけにくいけれど、その分染料がふわっとにじんで柔らかい雰囲気に染まる。

出来れば、複雑な色味に染めたい。雪花絞りを染める前に、反応性染料のターキスブルーで地染めをする。それから畳んでスレン染料の黒で雪花絞りを染めた。

麻混のスラブ生地は、綿100%のコーマ生地より凹凸がある分意外とボリュームがあり、1反分畳んだ時、コーマ生地より少し長い三角柱になった。

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反応性染料のブルーは抜染してもあまり色が抜けないので、かなりターキスブルーの色が強く残った。

この上に草木の染料を重ねてもう少し色を和らげてみたい。

黄色系を重ねて緑にしようか?それとも、茜のピンクを重ねて、無彩色に近いグレーにてみたらどうだろうか?無彩色の中に、よく見るとブルーやピンクの色が複雑に混じりあって見える。

そこで、西洋茜を煮出してみることにしました。茜は1番液、2番液、3番液を合わせて、柿渋下地にアルミ媒染で染めます。

濃い茜を2回重ねて、上の写真から下の写真のような色に変わりました。

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反応性染料のターキスブルーは、それほど濃くはないのですが、それでも草木の自然な色に比べるとずっと強い!濃色の西洋茜を2回重ねてやっと反応性染料のブルーと、西洋茜のピンクの中間の色になりました。


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仮着装してみました。かなり渋い雰囲気です!

 



2018年6月16日 (土)

赤い地色が際立つグラデーションの抜染雪花絞り

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先染めした下地の色の濃度の違いと抜染したときの色の抜け方の違いは微妙で予測が難しい。
紫グレーに染めた地色より赤く染めた部分の地色の方が若干多く残った。
少し色がどぎつく感じたので、薄めた柿渋を何度も重ねた。秋の紅葉と枯れ葉のイメージです。


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2018年5月19日 (土)

地色をグラデーションに染めた抜染雪花絞り反物 紫陽花色

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地色をグラデーションに染めてから畳んで抜染しました。こちらは5列屏風畳、13mの雪花絞り反物です。

どんな着物になるか早く見たくて仮着装してみると

上前の肩の部分に紫の濃い雪花の模様が来るように柄合わせするのが良さそうです。

左肩は模様の薄く出た水色地色を持った来て、片身変わり仕立て風にするか、両方上半身に濃い模様を持って来て大体左右対称に仕立てるか?

顔に近い部分に模様がはっきりしている方を持って来て、下半身の方は模様の薄いブルー地、裾に濃い模様が少し出るくらいに仕立てるのが良いかな?

クリーム色の夏帯が意外とよく合いました!帯締めは組紐より生成りの皮ひもの方が雰囲気に合うみたい。どこかに和装用でないものを取り入れてしまった方が面白い。

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2018年5月16日 (水)

抜染雪花絞り/紫地色とスレン黒の雪花絞り

 レマゾール染料のターキスブルーにブリリアンレッドを重ねて紫色に地染めをしました。

ターキスブルーはハイドロサルファイトと苛性ソーダではほとんど色が抜けないので、、後から重ねた赤味の色だけが抜けて、明るいブルーの地色に紫の曲線が浮き出した雪花絞りになりまになりした。

グレーのぼかしは、淡いスレン染料の黒が浸透したところです。

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絞り染めなのに、面相筆で描いたような細い曲線をを残したい!

そう思って狙っても、太くなりすぎたり、消えてしまったり、なかなか思い通りにならないのですが、これはかなりうまく行きました。

6列屏風だたみは13.5m1反分だと容器に入らずはみ出してしまうので、残念ながら、半分の6.7m。

スレン染料に浸す前に底辺2カ所に、ほんの少し湯を差す。ここは水ではなくて、湯であることが、すっと伸びた曲線を作るのに重要な条件の一つ。常温のステンレスの容器に、沸かしたてのお湯を注いだ時の温度、ステンレスの容器で少し冷めた状態位で丁度良いようだ。

ステンレスの容器も温めて湯が全く冷めないようにしたのは、温度が高すぎて拡がり過ぎてしまい、良い結果が得られなかった。

それと地染めの染料の濃度と、抜染を兼ねるスレン染料の助剤、苛性ソーダとハイドロの分量の調整、これが難解だ!


2016年8月24日 (水)

地色を赤と黒のグラデーションに染めた秋色抜染雪花絞り反物の柄合わせ

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 秋色の雪花絞り反物

レマゾール染料で黒と赤のグラデーションで染めた反物を、スレン染料の黒で、抜染と染色を兼ねて染めだした雪花絞りは、黒地の部分と赤い地の部分でギャップがありすぎるように感じました。

そこで柿渋を重ねてアルミ媒染し、えんじゅの黄色を重ねました。

これで、黒地の部分の雪花模様の色が抜けたところが、黄色みの柔らかい色になり、前より落ち着いたと思います。

それでも前回試した黒だけのグラデーションよりコントラストが激しいので、着物に仕立てたら、どんな雰囲気になるだろうと思い、さっそくボディーに着せてみました。

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柄合わせは、やはり黒地と赤の模様の部分が交互ななるようにしたいと思います。
 
衿は明るい色身の方を多く出すようにしたい。大体こんな感じになるだろうか?
 
一つ一つの色は結構渋いのですが、こうして見ると、かなり遠目にも、はっきり目立ちそうな色の組み合わせになっています。
 
秋の紅葉の陽射しの中で着たい雪花絞りですが、帯選びに苦労するかも!

2016年8月17日 (水)

地色をグラデーションに染めた抜染雪花絞り反物 実験結果

予め、白地を残してレマゾール染料の黒の濃淡で染めた反物を折りたたんで、スレン染料黒の雪花絞りを染めました。

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スレン染料に浸す前に、高温で溶いたレマゾール染料でかすかな赤の色注しをしています。

レマゾール染料の黒1色だけなので、他の2色のグラデーションの地染め反物よりは地染めが楽でしたが、このぐらいでも、全部黒1色に染めてから抜染するよりかえって面白いと思いました。

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赤と黒のグラデーションの地色に、薄めたスレン染料の黒。黒地のところと赤の地色のところと、色の抜け方が全く違ったのは予想外だった。

黒のところは以前地色を全部黒に染めたときの抜染とほぼ同じ染まり方をしたが、赤のところは思ったよりだいぶ抜けてしまった!

つながりがなさ過ぎるような気がするので、もう一度全体に黄色を重ねたら、もう少しましになるだろうか?

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こちらも赤と黒のグラデーションの地色は上と同じ。スレン染料の黒はさらに薄めて、ハイドロサルファイトと苛性ソーダを足して、より色が抜けやすいようにした。そして、スレン染料に浸す深さは浅くしてみた。

レマゾール染料の黒地の部分は全く予想外の色の抜け方をした。真っ黒に残ったところと、なぜかグレーに残ったところと、くっきりと2色に分かれた。これはスレン染料の色ではない!

赤いところはもう少しだけ色が残ってほしかったが・・・・なかなか思い通りにならない。

これで、スレン染料の状態は同じでも、レマゾール染料の濃度で、ずいぶん色の抜け方が違ってくることはよくわかった。

地色を生かした黒から白のグラデーションは大体思った通り、きれいに染まったと思いますが、赤と黒のグラデーションはギャップがありすぎて、イメージ通りにはならなかった。

レマゾールの黒をもっと薄めてグレーと赤のグラデーションの地色を作ってもう1度挑戦してみたくなった。

紫とエメラルドグリーンのグラデーションの地色は染めるのにいちばん苦労したので、まだもう少し慣れるまで保留にしておこう!

2016年8月12日 (金)

抜染の雪花絞り反物の染色準備

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地色をレマゾール染料でグラデーションに染めてから抜染の雪花絞りをすると、変化のある今までとは違った雰囲気の雪花絞りが染められることに気付いたので、とにかくひたすら地色を染めました。

きれいなグラデーションにするのに、なかなか1回の染色だけでは決まらず、3回ぐらい染め重ねずにはいられない。

染色温度は約60℃、染色時間はソーダ灰を入れてから1時間、その間60℃を保つようにする。

連日の猛暑のせいもあってとにかく暑かったが、新しい雪花絞りを試してみたくて、染めてはたたむ作業を繰り返し、やっとカラフルな三角柱の準備ができました。

白生地をたたむだけよりだいぶ時間がかかってしまったので、なるべく失敗はしたくない。

下手に抜染するよりこのままの方がきれいかもなんて思いながら、とにかく仮留めしたひもをもう一度きつく締め直します。
両端には折りたたんだ新聞紙をクッションとして挟んでいます。

この新聞紙をクッションにしてさらに板で締めていたのですが、結局板が影響するのは両端だけ、角にひもが食い込むのを防ぐために板を挟むだけなのだから、厚く重ねた新聞紙でも板の代用になるのでは?

普段木工をやっているわけでもないので、板を正確に切る作業は結構大変、厚く折りたたんだ新聞紙で代用できればもっと簡単にいろんなパターンの雪花絞りが試せる。そう考えて、新聞紙で間に合わせてみることにしました。

 

 

2016年6月 1日 (水)

レマゾールブラックBとスレン染料黒の抜染雪花絞りと、紙布の雪花絞り

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コーマ綿の反物1反の地色をレマゾール染料の青味の黒でしっかり染めてから半分に切って1/2反づつ、それぞれスレンの黒で抜染と同時に染めた6列屏風畳み正三角形のパターンの雪花絞りです。

スレンの黒の染料は苛性ソーダとハイドロの溶液で薄めています。

今まで反応性染料はプロシオンMの低温染色しか使ったことが無かったのですが、これで1反分濃色に染めるのはあまりにも効率が悪いため、60℃ぐらいに温度を上げて染めるレマゾール染料を選んでみました。

ぬれているときは真っ黒に染まったように見えましたが、1回の浸染で真っ黒にはならず、乾かしてみると、学生服のような濃紺に染まっていました。それでもプロシオンMよりは、ずっと効率よく濃く染まりました!

これを折りたたんで締め、スレン染料の黒で抜染をかねて雪花の模様を染め出します。

抜染染色で雪花の模様を染め出すスレン染料の黒は、薄めたほうが面白い染まり方をするのではないかと思い、苛性ソーダとハイドロの溶液を後から足して薄めました。染色温度も、通常のスレン染料の染色より高め、70℃ぐらいに上げました。

下の中央の大柄の雪花絞りは紙布の反物です。こちらの地色は低温染色のプロシオン染料で染めています。大体黒っぽい地色に染めていますが、茶色やグリーンなど、何色か重ねて、濃いグレーにした地色です。色の抜けたところは予想以上にビビットな黄色になりました。両端のコーマ綿(地色がレマゾールの黒)とはぜんぜん違う色に抜けています。

抜染染色に使ったスレン染料の状態はほぼ同じです。左端が1番、右端が2番、中央が3番の順番で染め、4番目が上の右側の雪花絞りです。

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左端を最初に染めてから、右端を染め、ハイドロを少量追加してから、中央の大柄を染め、最後に再びハイドロを少量足して上段の右を染めました。

最後の雪花絞りだけ、色の抜け方が弱まり、紫みの色が現れています。1回抜染染色するごとにハイドロの効力は弱まるのではないかと思っていたので、1回ごととに少量のハイドロを追加しながら作業したのですが・・・4番目だけ色の抜け方が弱いのはなぜ?

ハイドロはちゃんと足しているので、たぶん染めてから開くまでの時間が短すぎたのかもしれない。他は吸い込んだ染料がさめてから開いていたのですが、これはまだかなり熱いうちにに冷まさずすぐに開いてしまったからではないか?

開いたとき、ほとんど色が抜けていないように見え失敗かと思いましたが、洗っているうちに紫味がかった模様が浮き出してきて、ほっとしました。

細いシャープな線を残そうとするより、こちらの形に残す雪花絞りの方が、極端な失敗が少なくリスクが低いと思いました。

桜の花びらのような形になるので、もう少し明るい春らしい色目で、お花見に着られる雪花絞りも染めてみたいと思いました。

中央大柄の雪花絞りはあまりにもコントラストが強く感じたので、草木の染料を重ねて、色を和らげてみたくなりました。

淡い柿渋を重ね、アルミ媒染してから、反物の半分は西洋茜、他の半分はエンジュを重ねました。

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西洋茜を重ねた左側は金茶のような色になって、かすかに色味が違います。

雪花絞りは同じパターンの繰り返しなので、どこかで崩してみたくなったのですが、着物に仕立てたときどう出るでしょうか?

確かめてみたくて、ボディーに着せてみました。

かすかな色身の違いですが、上前をどちらの色にするかで多少印象が変わるかもしれません。

やはり、抜染しただけの色よりかなり落ち着いていると思います。

美濃紙を横糸に織ったというこの反物はコーマ綿より厚手で、その分染料ののりも良く、深みのある色が出せたと思います。

秋冬に着られる着物になりそうです!

この反物は愛知県西尾の呉服店、あづまやさんからお預かりして試し染めしたものです。

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2016年5月25日 (水)

地色をグラデーションに染めた抜染の雪花絞り

地色を赤紫からグリーンのグラデーションに染めてから、スレン黒の染料を薄めて抜染しながら染めた雪花絞り反物です。

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抜染した部分も完全に色が抜けるわけではなく、特に青系の色と、黄色味は残っていました。

染色材料店に反応性染料の抜染について問い合わせたとき、ターキスブルーは色が抜けにくいと言っていたのですが、確かに明るい青の色がかなり強く残っています。
ターキスブルーは他の色より染まりにくく尿素を多めに入れないと水洗いでかなり色が落ちてしまうのですが、染まりにくく、いったん染まると抜けにくいということがわかりました。

紅い染料はほとんどきれいに色が抜けていました。赤系は染まりやすく、抜けやすい性質のようです。ということは抜染に適した染料ということです。地色を赤だけに染めたものも試してみたいと思いました。

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地色をグラデーションに染めてから折りたたんだので、グリーンと赤紫のきれいな縞模様が出来ました。

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こちらは拡大画像です。

地色の紅いところが一番気に入っています。

この紅い地色だけの抜染の雪花絞りを染めてみたい。

緑の地色のところも近くからよくみると淡いグリーンの花型の線がきれいに出ているのですが、遠めにみると、黒の模様だけが目立ってしまってほとんど見えなくなっているのが残念に思いました。

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その後、同じようにグラデーションの地染めをした反物を再びスレン染料の黒で抜染染色をしたのですが、思い通りにならず、左は抜けすぎ、右は地色が残りすぎて細いシャープな線を染め出すことが出来ませんでした。

雪花絞りの染色を始めると、いつも平常心を保つのもむずかしくなる。
なかなか思い通りにならず、反物は水を吸うとかなり重くて体力は消耗するし、いらいらカリカリしながら染めている。


2016年1月20日 (水)

桜の花の下で着たい雪花絞り

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雪花絞りの染色用に折りたたんだ反物の三角形の底辺に、ほんの少し水を吸わせてから急いでスレン染料の染浴の中に入れて染めることで、小さな花形が白く抜けるように意識して染めました。

薄墨のような黒のスレン染料の柔らかな濃淡の中に浮かぶ小さな花形を桜の花に見立てて、地色は柿渋で下染めしてから、淡い茜を重ねました。

どんなコーディネートにしたら引き立つだろうかと思いながら、仮着装してみました。帯締めをPinterestで見つけた画像を参考にハート型にアレンジしました。

木綿の雪花絞りは、やはり真夏よりも春秋に着たいと思います。

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フォト

せみのはねの雪花絞り

  • 20250407-1151
     染めるたびに少しづつ違ってしまって狙った通りに染めるのが難しい雪花絞り。 いつか理想の雪花絞りを染めることを夢見て、雪花絞りの染色の記録を撮り続けています。

天然染料、草木染め

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