柿渋と藍の重ねの色の雪花絞り
上の画像の雪花絞りはかなり藍の色が濃く出たのですが、比較的白場の面積が多くなってしまったので、地色との対比が強すぎてどぎつい感じになってしまいました。柿渋の薄め液を何度も重ねて、地色を柿渋色にしてみました。
それでも藍との対比が強すぎて濃淡の幅も感じられず、もう少し何とかならないのかなと思案してしまいました。
柿渋を何度も重ねると、生地に発水性が出てきて染料が浸みこみにくくなります。この性質を利用して、藍をもういちど重ねてみたらどうだろう?
後から雪花絞りと同じ染料を重ねると、雪花の模様がつぶれてしまいそうで怖い。今まで試したことがなかったのですが、重ねた方が全体のトーンが落ち着きそうな気がしたので、思いきってみました。
柿渋の上に藍を重ねると、柿渋がアルカリに反応して少し黄色みを帯びます。また何度も重ねた柿渋の発水性のおかげで藍が濃く染まりにくくなり、淡い色になるはずです。
後から重ねる藍はインジゴピュアではなくてインド藍の薄くなった染液を使います。
インド藍とインジゴピュアではそれほど大きな違いはなく、自分でもどちらだったか区別がつかなくなってしまうこともある位ですが、多少色味が柔らかく、かすかに黄茶色みがかった感じはあります。
先に柿渋で染めてから藍を重ねるのと、淡い藍で染めてから柿渋を重ねるのと、絹の場合はだいぶ発色が違ってきます。
木綿の場合はどのくらい違うだろう?今回雪花絞りの地色では初めての試みです。2番目の画像の左側の反物が、雪花絞りの後からインド藍を重ねたものです。右の反物は雪花絞りの上の柿渋を重ねただけの色味です。比較すると色味の違いが解かります。
思った通り雪花絞りの模様の色味が緑味を感じさせるグレーになりました。黄色系の染料を全く使っていないのに、ここまで色の差が出せるのはちょっと楽しい!上の画像の色のままよりこちらの色の方が良くなったのではないかと思います。
渋めの色ですが、この色味で着物を作ったら、半衿は鮮やかな茜色を合わせて見たいような気がします。
« 雪花絞りの染色2014年1月 支え棒を使って | トップページ | 雪花絞り反物の地色 柿渋 »
「草木染 柿渋染」カテゴリの記事
- 知多木綿の草木染ストール 柿渋、茜、藍の重ね 色のバリエーション1(2019.05.17)
- エンジュ地色の雪花絞り反物の染色(2014.11.26)
- 再び雪花絞り反物の地染め 西洋茜にエンジュを重ねる(2014.11.25)
- 雪花絞り木綿反物の地色を西洋茜の根で染める(2014.11.09)
- 柿渋と藍の重ねの色の雪花絞り(2014.01.16)
「雪花絞り反物の染色」カテゴリの記事
- 綿麻スラブ反物の雪花絞りの地色(2018.11.26)
- 赤い地色が際立つグラデーションの抜染雪花絞り(2018.06.16)
- 地色をグラデーションに染めた抜染雪花絞り反物 紫陽花色(2018.05.19)
- 抜染雪花絞り/紫地色とスレン黒の雪花絞り(2018.05.16)
- 地色を赤と黒のグラデーションに染めた秋色抜染雪花絞り反物の柄合わせ(2016.08.24)
コメント