藍と柿渋の重ねで染めるシルバーグレーのシルクストール
インド藍と柿渋 この2種類の染料の重ねだけで媒染剤は使わず、意外と幅のある色を作ることが出来る。染料だけでなく、繊維の種類によっても生地の厚みによっても発色は違う。
淡いシルバーグレーは薄手のタイシルクの手織り生地のストールで、作ることが出来た。
柿渋は、鉄媒染でもグレーになるが、鉄媒染は使いたくない。他の草木の染料をさらに重ねたい時、色味が失われてしまうから・・・
淡い藍で染めてから、10倍に薄めた柿渋を何回か重ね数日経過してしてから蒸すと、淡い水色~青がグレーに変わる。
藍が若干強い場合や 柿渋の重ねの回数が少ないとブルーグレー、柿渋が多くなるにつれて無彩色に近いグレーへと変化する。
この方法だと、だいたい中間の明度から少し濃いめが作りやすい。
もっと淡いグレーを作るには、柿渋で先にしっかり染めた方が良いということに最近気付いた。
通常柿渋で染めてから数日後 濃い目のインド藍で1~2回染めると、柿渋がアルカリに反応して黄色みを帯び、グリーンに近い藍色に染まる。
しかし柿渋で染めてから、しっかり定着させるために蒸して熱を加えると柿渋の色はかすかに赤みを帯びて発色する。
これを短時間藍の染液に浸す。引き上げて酸化発色 すぐには良くわからなかったが、洗って乾かしてみると、きれいなシルバーグレーになっていた。
柿渋を蒸してしっかり定着させると、皮膜が出来て水分や染料が浸透しにくくなる。そのため、これを藍の染液に浸しても、薄くしか染まらない。赤みの柿渋の色に重ねた淡い藍が、シルバーグレーに発色する。木綿でもブルーグレーは作れるが、光沢のあるシルクだからこそ、銀灰色のきれいな色になった。