雪花絞りの暖簾
今年は主に、昨年末織り元からまとめて仕入れたコーマ綿の浴衣生地を雪花絞りの染色に使っています。
シルケット加工をお願いしてしまったのがあだになって布が硬くなり、もう一度自分で晒し直さないと浸透が悪くて、雪花絞りがうまくいかなくなってしまいました。
しかし生地の質自体は去年主に染めていたものよりずっと良いようです。
去年染めていた生地は染めると耳がベロベロに伸びてしまって、アイロンをかけてもどうにもならず困ってしまいましたが、今年の生地はとてもきれいです。
晒し直してもあまり生地がでこぼこにならず耳がしっかりしているし、コーマ綿だけのことはあって適度な透明感があります。
去年の生地でのれんを作ってみた時は、生地がでこぼこなのをどうすることもできず、とても貧相な感じになってしまったのであきらめました。
今年染めているコーマ綿の浴衣生地は耳がしっかりしていて適度な張りがあるので、再びのれんにチャレンジしてみました。
柄あわせもぴったりきまり、これならのれんになると思いました。
今のところ6列屏風だたみの正三角形のパターンの小柄の雪花絞りばかりなのですが、のれんはもっと大柄に染めてみたい。
初めて六本木ラフォーレで見た昭和初期の雪花絞りの浴衣は4列屏風だたみ。白場が極端に少なく、藍の濃淡がとても幅広くて、ものすごく細くて繊細な白い線が流麗な曲線を描いているのが印象的だった。あんな雪花絞りはあの時以来見たことがない。現代の職人の雪花絞りにもない。あの雪花絞りにあこがれて始めてみたのだけれど、いまだとても遠く及ばない。
あの雪花絞りのような染めの暖簾をと今でも夢想しているけれど、全然違う染めばかり出来てしまい、それはそれでいいかと脱線しながら、半ばあきらめ、それでもやはりあの雪花絞りが忘れられないのです。
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