雪花絞りの実験9
板締め絞りに使っていた小さいクランプがあったのを思い出して、これを使って小品の雪花絞りを試してみることにした。
5列屏風だたみなら晒し2.5mまでこのクランプで絞ることが出来た。
相当硬く板締めしたつもりだったが、染液を吸いこんで濡れた布はクランプで圧力をかけるとさらに1.5cmぐらい縮まった。これで水分を絞ることが出来た。
クランプを外してタコ糸をほどき、板をはずしてみると・・・まだ染料は完全には酸化していなかった。
しかし空気に触れるとどんどん青くなっていった。水をじゃぶじゃぶ流しながら洗った。水中で酸化するのは比較的早く、流れ出てしまう染料も少なくなったようだ。
やはりクランプは使った方が良い。今まで有ったのに使わなかったのはうかつだった。
けれども、染めてから布を開いて酸化発色するまでの時間を、劇的に短縮できたというほどではない。やはり3時間から5時間ぐらいは、水洗いを繰り返しながら折山が完全に発色するのを待つ。クランプで絞るのはそれからだ。
せっかちにクランプでどんどん絞って強引に酸化させたものは、極端に発色が悪くなり、汚い発色むらが出来たり模様がにじんでしまったりした。
長時間放置し過ぎてもだめなのは雪花絞りの実験8で確認したとおりだ。雪花絞りは染めた後の作業の方が大変だ。
けっきょくいつもと同じような染め上がりだ。
もっと白場の少ない幻想的な雪花絞りを目指しているのに思いどりにならない。最初のころに染めていた雪花絞りで、最近なぜか同じように染められなくなってしまったのもある。
板の締め加減の問題もあるかもしれない。最初のころよりずいぶん要領よくきつく締められるようになった。今の板の締め加減を一定に保って染浴の状態を調整してみよう。この染浴の状態の見極めがいちばんむずかしい。
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