雪花絞りの実験5
有松絞り祭りが終わってから、たたみためておいた晒しを久々に染めました。
「雪花絞りの実験3」のときより、全体的に板を強く締めてみました。生地が長尺になると、染色後に洗う時、たこ糸がゆるみやすくなって安定しないのと、雪花の模様をよりシャープに染められるのではないかと思ったからです。
染浴の浴比も少し変えてみました。
インジゴピュア原液1リットルの建て方
- インジゴピュア 15g
- 苛性ソーダ液 250cc
- ハイドロサルファイト 25g
- 最後に湯を加えて全体が1リットルになるようにして、液の表面をラップで覆う。
これに、原液の1.5倍の湯にハイドロサルファイト少量溶いたもと、ロート油少々を加えて染浴とした。
雪花絞りの板締めは、強く締めすぎると染料の浸透が悪くなるのではないかと思っていましたが、染浴の状態によってはそうでもなっかた。強く締めたほうが余分な染料を吸い上げる量が少なくて効率が良くなるようだ。
そこまでは良かったのだが、染浴の状態が染色結果に及ぼす影響はかなり微妙で浸染よりずっと調整がむずかしい。
いままでの雪花絞りの実験では、たびたび二重映しの雪花絞りが出来たことがあった。これはどうもハイドロと苛性ソーダの不足で、染料が吸い上げられている途中で酸化してしまって染着する力が弱くなっていることから起きる現象のようだ。
それから洗い方の問題もまだよく解らないことがある。
板で締めたままの状態で水中であまりジャブジャブ洗いすぎると染料が流れて薄くなってしまうようだ。
はやく酸化させようと思って板で締めた状態のままタオルで水分を拭き取ってから布を水中で開いてみたら、空気酸化した時と同じようなまだらの発色むらが出来てしまった。
板で締めた状態のまま表面の折山がすっかり酸化したら、染まっていない三角形の頂点を上にしてしばらく放置し、自然に水分が落ちていくのを待つのが良いようだ。
数時間経過して、水分がかなり抜けてから軽く脱水機にかけ、板をはずしてみたら、中まですっかり酸化して青くなっていた。このやり方がベストかも。
以前脱水機にかけたら模様がにじんでつぶれたようになってしまった事があったが、あれは板の締め方が弱かったからか、それとも染めてから脱水機にかけるまでの時間が少なすぎたからか?
あれから懲りて脱水機は使わずに作業していたが、充分水分を落としてからなら大丈夫なようだ。
今回染めた雪花絞り 染料が流れて少し薄くなってしまったようです。
今回は失敗も多く一歩進んでは二歩下がるという感じだった。失敗も成功も原因が分からないといつまでも偶然のまま終わってしまう。少しでも安定した雪花絞りを目指して実験を継続していくしかない。