有松絞り祭
6月のはじめの土日2日間は有松絞り祭です。
今年も仲濱商店 匠の広場の工芸市に参加させていただきました。「雪花絞り」といえば、もともと名古屋の有松の絞りです。この有松で、年に一度の絞り祭の日に自作の雪花絞りを披露する機会をいただくことができて、とてもうれしく思います。
雪花絞りは、化学染料が普及した明治時代から昭和30年代ごろまで有松で生産されていたそうです。大量の需要に応えるため、従来の縫い絞りより短時間でできる絞りとして普及したそうです。そのためか、昭和半ばには、主におしめの絞りとして生産され、使い捨てのオムツが主流になると、需要ががなくなりすたれてしまったようです。
何年前だったかまだユニクロもなく、絞り染めのTシャツがはやっていたころ、本物の有松絞りが見たくて有松に立ち寄ってみたものの、各商店のウインドウからは、絞り染めのTシャツを沢山見ることが出来ましたが、私のイメージしていたような有松絞りは見つける事が出来ませんでした。
有松絞り会館の2階で、やっと展示資料の藍染めの反物を見ることができました。手蜘蛛絞りや柳絞りの完成度の高い作品を見ることができました。しかしお目当ての雪花絞りは無くてがっかりしたのを覚えています。
絞り会館の職員の方に雪花絞りはないか訊ねてみましたが「ハンカチぐらいしかないね」とそっけない返事。やっとみつけた雪花絞りのハンカチは麻の葉のパターンで模様がとてもきれいに出ていました。このハンカチを染めていたのが有松の「張正」さんだと知ったのは、最近です。
「有松絞り祭」で雪花絞りを見かけるようになったのは、一昨年あたりからだったでしょうか。浴衣の流行とともに、また見直されてきたのかもしれません。雪花絞りはまったく価値が無くなってしまい、在庫として持っていてもしょうがない時期があったそうです。そんな逆境のなかでも染め続けているところがまだ残っていたとは、雪花絞りファンとしてはとても心強く思います。
「張正」さんでは雪花絞りの他に豆絞りと折り縫い絞りを主に染めていました。
今年の有松絞り祭はとても天気がよかったのですが、真夏のように暑くてけっこうばててしまいました.いつもここまで来たからには色々みたいと思うのですが、自分の出店場所からあまり離れるわけにもいかず、出店するだけで精一杯になってしまいます。いつもは静かなところですが、このお祭りのときは人も多く、活気があります。今年も楽しみにしていたからくり人形の山車 見そこなってしまいました。