知多木綿梨地反物は綿100%ですが、ジョーゼットのような風合いです。
ジューゼットはポリエステルの生地が多い印象ですが、木綿なので肌触りが良く、夏でも着られるのがうれしいです。
フォーマルな雰囲気のスカートが作れそうな気がしたので、頑張って黒く染めてみました。
白生地から手染めで黒く染めるのはかなり大変でした。1度で真っ黒に染めるのはほぼ無理と思ったので、初めに藍染にしてから、反応性染料を染め重ねました。
藍→茶色→黒→緑
藍に茶色の反応性染料を重ねてグレーに染め、さらに黒を重ねます。少し赤紫がかった黒になったので、さらに緑を重ねてみました。
ベルトは前で結ぶ予定でしたが、何となくすっきりしなかったので、3重巻きにしてバックルで留めました。
ベルトは反幅帯のように結びたいと思ったのでかなり長め,4mほどあります。
工芸染色の抜染に使えるように染工所で染めてもらった黒無地反物で抜染の実験をしてみました。黒無地の染料は反応性染料です。
ハイドロサルファイトの溶液で抜染できますが、苛性ソーダの溶液を加えることで、抜染の色味が変化することに気が付きました。
苛性ソーダを加えると鮮やかな青い色が出てきます。洗って完全に酸化させると少し彩度が落ちて落ち着いたブルーグレーになりました。
抜染液の溶液の割合や最初に生地に部分的に水を吸わせることで模様の色味や柄の出方が変化しました。
抜染液に浸したとき、藍色になりましたが、よく洗って完全に酸化発色するとグレーになりました。染料は全く加えていません。
黒無地反物はこちらです。https://store.shopping.yahoo.co.jp/sekkasibori/3-black.html
地色全体を染めてから抜染すると、重ね染だけでは出せないコントラストの強い染色が楽しめます。
しかしたくさんの生地をいちどににむらなく染めるのは体力的にも大変ですし、廃液の問題も有ります。
そこで染工所に依頼することにしました。
湯 1リットル ハイドロ30g 苛性ソーダ液30cc で試してみました。
濃い黒と、少し青みのグレーがかった黒の2色です。
既製品の黒い生地を試してみるといろいろな色の抜け方の生地があり、まったく色が抜けないものもあります。
直接染料も念のため試してみましたがほとんど色が抜けず、反応性染料だけがきれいに抜けました。大体期待した通りの抜け方です。
黒い反物が出来上がってくるのが楽しみです!
浴衣の生地幅をそのまま生かして着物の裾除けのような形の巻きスカートを作りました。
巻きスカートは右を上にするか?左を上にするか?迷う。
多分洋服だと女性は右上、着物なら男女とも左上、まあどちらでも良いか。
上前に深めのプリーツを1つたたんだタイトなシルエットです。プリーツはそのまま生地と並行に畳むか、少し斜めに角度をつけるか、散々迷った末、結局シンプルに平行に畳んだだけにしました。
用尺 約6.5m
90cm~1mにカットした生地を5枚
ベルト用生地 反物幅の半分に裂いた生地を約3m
知多木綿の反物は普通に市販されている浴衣の生地より厚みもあってしっかりしています。
夏でなくても、冬でもコーディネート次第で違和感無しに着られました。
思ったより赤茶けた色で、黒の染料ほど濃淡の幅が出ないように感じました。
そこでインド藍と併用してもっと深みのある色が出せないかなと思い試してみます。
1)三角形の底辺の頂点2点を水に浸す→スレン染料の茶色→インド藍
2三角形の底辺の頂点2点を水に浸す→少し間をおいてからインド藍→スレン染料の茶色
スレン染料とインド藍、どちらも建て染め染料ですが、還元するときの苛性ソーダの分量が全然違います。性質の異なる染料に立て続けに浸した時、どんな風に色が分かれるか?実験の結果です。
1)スレン染料に先に浸した時は2色が重なって混ざった色に染まりました。
2)インド藍に先に浸した方は色がしっかりと別れました。藍の色が思ったより多めに薄く出て全体的に明るい色になりました!
どちらかというと1)の色味の方をイメージしていたのですが、もう少し模様の輪郭をはっきり出したい。染料に浸すときの角度を変えてみたらどうなるだろう?
浴衣に仕立てたらどんな感じになるだろうと思ってボディーに着せてみました。 かなり渋いですが柄が意外と目立つので、思ったほど地味でもないかなと思いました。
なかなかコロナも収まらないうちに夏も過ぎて再び冬になってしまった。
折りたたみマスクの作り方にもずいぶん慣れてきて去年より大分立体的に作れるようになった。
以前は折り返した生地の両端であごの下を覆うようにしていたが、最近はマスクの内側にすべて押し込むようになった。
マスク上部の鼻の中心から頬にかけては隙間が出来やすいので、浅く折り返して鼻から頬にかけてなるべくフィットするようにたたむ。
ヘアピンで折り返した生地の両端をしっかり止める。去年は短いピンを使っていたが、最近は長いほうのヘアピンを使っている。
ヘアピン1本使うだけでしっかりと形を固定することが出来るようになった。
ピンを外して開いてしまえば元の正方形の1枚の生地に戻る。毎回たたむのもかなり手馴れてきたので、面倒というよりは楽しくなっている。
縫ってしまうと生地が分厚くなって洗濯したとき乾きが悪くなり、中に雑菌が繁殖してしまいそうな気がする。
多少面倒でも1枚の布に戻ってすぐ乾くのは清潔感があって安心だ。
マスクの生地と、鼻や口の間になるべく空間を多くとることで、何重にも重ねた生地でも呼吸は快適になる。
綿麻スラブの浴衣地は肌に密着しないので、プレーンなコーマ地や特岡などの手ぬぐい生地より快適だった。
ガーゼのような薄い生地は息を吸い込むたびに吸い寄せられて鼻や口にまとわりつくので、暑い時期にはとてもうっとうしく感じる。
夏のマスクは生地がなるべく肌に触れる部分が少なくなるように立体的に作りたい。
毎回だいたい同じたたみ方ではあるけれど、少しづつ変えて使い心地を確かめてみた。
生地は反物幅を生かして25cm ぐらいにカットします。
1)端はスラブ織りの場合、糸抜きすればほとんどほつれてこないので まつり縫いも省略です。
切り口の両端は装着したとき見えなくなるように交互に折り込みます。
2)下は三つ折りにしています。
3)屏風畳のプリーツを1つたたみ、マスクひもを通します。
4)両端を折り畳んでマスクの裏側にします。
5)裏側からひだを開きます。
6~7)2つ折りにして表側のひだを開きます。
8)マスクの表と折り返しの裏の生地を一緒にピンで留めます。
9~10)2つ折りのマスクを開いて裏側にします。三つ折りにした襞を少し上にずらして形を整えます。
11~12)表側の三つ折りの襞の中央を押し下げます。
浴衣のスラブ生地は適度な張りもあり、通気性もよくてかなり快適でした。
ただ通気性が良いということはフィルター効果はあまり期待できないということか?
これでも生地は4枚分ぐらいは重なっているのだけれど、マスクしていないよりはましという程度だろうか?
マスクの中央折り返し部分を書類用のクリップで留めてみたものの、もっとましなものはないかなあと考えた結果、ヘアピンを思いつきました。
ヘアピンは片方が長くなっているので、ペンチで切って同じぐらいの長さにしました。先の開き具合もニッパーで調節して左右対称になるように加工してみました。
前回はマスクの裏側で書類用のクリップで留めていましたが、結局必要なくなりました。
たたみ方は最初のハンカチマスクとだいたい同じ単純なたたみかたです、。ヘアピンを使って留めめるだけで、かなり顔にフィットした立体的な形になりました。マスクの中央にとんがった部分を作ることで、鼻と口に生地を密着させず、呼吸を楽にすることが出来ました。
あっそうか!裏側も表の生地と一緒にピンで挟み込んでしまえばいい。これで折りたたんだだけなのに、ちゃんと立体的なマスクが出来た!
最初は試行錯誤しながらだったので時間がかかってしまったが、結局5分以内でサクサクたためるようになった。
簡単なわりに形は複雑そうに見えるかも?
アバウトにたたんでいるので、たたむたびに微妙に形が変わった。
とんがったマスクにすることで、鼻と口に空間を作ることが出来たが,着装しているうちに拡がってしまうのでクリップで留めてみた。
表の中央の折り返し部分と、裏の折り返した生地のジョイント部分、この2か所を留めれば、大体形を固定することが出来た。
マスクの一番とんがったところを鼻のてっぺんにするのかと思っていたけど、それより下、鼻と口の間ぐらいに持ってきた方が付け心地が良かった。
目の下の鼻から頬にかけては出来れば自然なカーブを描くようにしたくなったので、少し折り込んでみた。
初めはもっと小さくたたんでいたように思うけれど、最近は顔半分をほとんど覆いつくしてしまうようなマスク姿もすっかり見慣れてきたので、だんだん大きく派手にしたくなってきた。
大体同じたたみ方なのに、微妙に形が変わってしまうのは、生地の張りとか厚みも影響している。
ひだの開き方、角度なども影響している。
縫うのは面倒だから、簡単に折りたたんでと思ったけどそんなに簡単でもなかった。
けど、だからこそ面白くなって思わずハマってしまった!
前回浴衣地で、
たまたま鼻がツーンと立ったような形が出来て面白かったので、もう一度白生地でたたんでみた。
どこか1箇所クリップで留めた方が良さそうです。ここではなくて上の方のひだの中で留めました。ひだの中に入れてしまえば表からも裏からも見えなくなります。
それとひだの開き方、平面で開くより、縦2つ折りにしてから開いた方がマスクが立体的になった。
だいぶ要領がわかって来ました。
コレは雪花絞りで色々作ってみると楽しそうです!
初めてハンカチで作ったマスクと同じ形です。生地に張りがありしっかりしているので、ワイヤーなど入れなくても鼻の中心から目の下にかけてくっきりと角度が付きました。
雪花絞りは同じパターンの繰り返しなので、模様を目印にしながら折り畳むことが出来ます!
こちらは生地が薄くて柔らかいので、浴衣地のようにくっきり折り目がつかなくて、鼻のところにワイヤーを入れています。
ちょうど鼻の頭になる部分がとんがった形になるので、マスクの中の鼻の下に空間が出来ました。
これだとだいぶ呼吸が楽になることに気がつきました。
折り返した生地の両端がマスクのアゴの部分になります。生地は縦に使っています。こちらの方がバイアスマスクよりたたみやすい。
毎日マスクは必要なので、いろいろたたんでみました。
有松の雪花絞り、50㎝四方の薄い綿ローンのハンカチです。大柄なので、たたみ方で柄の出方が変わります!今回は生地をバイアスに使っています。
嵐絞りのストールと同じ生地です。生地をバイアスに使って、斜めの嵐絞りを縦じまにしました!
最初はこんな風に折りたたんだ生地の両端を思いきり広げてあごの下を包むようにしていました。
あごをすっぽりと首の付け根まで包み込んでくれるのでとても暖かいですが、ここまですると首の後ろも何とかしないとバランスが取れないように思いました。
こちらは閉じて生地の端があごの下に少し出るように変えてみました。
やっぱり生地の両端が出ないようにマスクの中に普通に納めてみました。シンプルでいいかとも思ったので。マスクの中が分厚くなりすぎかな?折り返した生地の端をマスクの下に少し出すデザインよりかえって形が崩れやすかったです。
やっぱり生地の両端を自然に出す方がいいかも?
もう一度嵐絞りの折りたたみマスクに挑戦してみました。
嵐絞りはだいたい45度ぐらいの角度に絞っているので、生地をバイアスに使うと、縦縞か横縞、どちらも可能です。
前は横縞で作ってみたのですが、何となくぴんと来なかったので、今度は縦縞にしてみました。
折り畳んだ生地の両端は外に出さずにマスクの中に納めました。こちらの方がすっきりシンプルな形になりました。
これならストールとおそろいにしてもいいかな?
前回考えたバイアスの折りたたみマスクは薄くて小さめの生地でないとうまくいかないので、新しい方法を考えました。
生地が幾重にも重なってふかふかした暖かなマスクになりました。これだけ贅沢に良質な生地を重ねることが出来るのは折りたたみマスクならではです。
毎回使うたびに畳み直さなければならない面倒くささはありますが、拡げて洗えるので清潔に保てそうです。
マスクのひもは1本では物足りなく感じたので、左右それぞれ2本使いました。少し長めのひもを1度ひねって交差させて装着します。
紐もデザインのアクセントになります!
生地がバイアスなので装着するともっと縦に伸びた感じになります。
綿ローンの薄手のハンカチで作るときれいですが、浴衣や手ぬぐいの生地ではきれいな曲線が作れずうまくいきませんでした。
知多木綿のストール用の薄地生地を使って、縦地に使った場合とバイアスに使った場合とを比較してみました。
大体同じたたみかたですが、バイアスの方が伸縮性があるので、より曲線的な形が作れます。
ひだを倒す方向をどちらにするか迷っていたのですが、縦地の場合は上向き、バイアス地の場合は下向きが収まりが良いようです。
生地が交差する部分をジャンボクリップで止めると形が安定して崩れなくなりました。クリップの部分は別布を当てて使います。
初めは市販の使い捨てマスクのようにワイヤーを入れてみたりしたのですが、ワイヤーを入れてしまうとマスクを外した時 半分に畳めなくなって不便に感じました。
クリップで止めるとマスクのひもを強めに引っ張っても形が崩れないので、鼻とマスクの間に隙間が出来なくなり、ワイヤーは必要なくなりました。
マスクって顔の半分ぐらいを占めるので、ある意味服やアクセサリーより目立つ。だったら実用的な目的だけじゃなく、もうちょっと遊んでもいいんじゃないかと思った。
そこで、ストールとマスクをお揃いで作ってみたくなった。
嵐絞りで一緒に染めて、試しに作る。
嵐絞りのストールはまあ普通で違和感ないけど。マスクはかなり風変わりな印象だ!想像していた以上に強く目立つ。
まあいいか。今度これで出かけてみよう。マスクだけだとかなり浮きそうだけど ストールと一緒なら緩和されるかな?
マスクの内側、布の両端のジョイント部分は、1か所だけクリップで留めました。こうすると型崩れしなくて安心して着脱できることに気が付きました。
マスクを外した時は二つ折りにしてこんな形になります。ふっくらした形で、巾着みたいです。
平置きだと裾が広がって富士山みたいな形ですが、その部分であごを包むように装着します。
生地の両端が三角に飛び出した部分が側面に回り込みます。ここはマスクとして余計な部分ですが、花びらみたいな形で少しだけはみ出すのが私は気に入っています。ここで縫っていないんだってアピールしたい。
自分の顔に合わせて形を作るので、ダブダブせずにぴったり立体的なマスクになりますが、きれいな曲線を描くように装着するには、ちょっとコツがいるマスクになりました。
うーん、最初に思ったほど簡単でもないか?
ほかにも縫わないで出来るマスクを試みている人はいないだろうかと思って”縫わないマスク”の画像検索してみました。
ずいぶんたくさん出てきて、やっぱりみんな工夫して楽しんでいるんだと思ってうれしくなりました。
その中でも特に目に留まったのがハンカチををバイアスに使う方法。
そうか!バイアスにすれば生地に伸縮性が出るので、より顔にフィットするマスクが出来そうだ!
前回の折りたたみマスクを斜めにたたみ直すことで改良を試みました。
薄地の知多木綿、ストール用の綿麻生地を藍染めにして作ってみました!生地はだいたい40㎝四方です。
折りたたんだ生地の両端が三角に飛び出してあごの下に回り込むような形になります。
長方形ではなく台形に畳むことで、目の下の方は狭く、あごの方は全体を包み込むような形で、装着します。
自分のサイズに合わせてたたむことが出来るので、ダブダブせずに顔にフィットするマスクになります。洗うときは拡げられるので、比較的 清潔に保てるのではないでしょうか?
たたんで生地が何枚も重なるので、暖かくて市販の使い捨てマスクより肌ざわりは良かった。布団にもぐっているような心地よい感触です!
1月の半ば頃ドラッグストアで箱入りマスクを購入したときは お店の前に山積みしてあったのに、今はどこの薬局を覗いてももマスクが全然ないので本当に驚いています。このまま気楽に使い捨てにしてしまうと、そろそろ足りなくなりそうと ちょっと不安になってきました。
そんな折、 ハンカチのマスクをしている男性を見かけました。たぶんどこも縫っていないように見えましたが、とても顔にフィットしていてハンカチもおしゃれ、ついつい何度もチラ見してしまいました。
どうやったらあんなにきれいに立体的な形になるんだろう?思い出しながら、早速ハンカチで試してみました。
ちょっと悪戦苦闘しながらも、なんとかそれらしいものが出来ました!
マスクのひもの部分はどんな素材がいいだろう?最初はヘアーゴムを使ってみたけど、なんか硬くて耳が痛くなりそうでした。
そこで、何か使えそうなものないかなと考えた結果、靴下はどうかな?
穴が開いて使えなくなった靴下、これをよく洗濯して足首のあたりを輪切りにします。ニット製品はカットすると切り口が丸まってしまう性質があります。くるくるっと丸まって、なかなかうまい具合にソフトな輪ゴムのようなものが出来ました!
うーん、これは使える。誰も靴下だとは気が付かないかも。(´∀`*)ウフフ
木綿の靴下とカラフルタイツで試してみました。
程よい伸縮性があり、肌に優しく長さもちょうど良い!
洗濯のことを考えると、木綿の靴下よりタイツやストッキングの方が乾きが早くて良いかと。
ちなみに使い捨てマスクの品質表示を確かめてみると、マスクひもの素材はナイロン、ポリウレタンとありました。これはストッキングと同じ素材だ!
折りたたみマスクには鼻の上になる部分にワイヤーを入れてみました。市販のマスクより長めの、紐にかかる長さにして形を固定したかったので。無くても大丈夫ですが、よりフィット感が増します。ワイヤーは園芸用の緑のワイヤーがあったので、それをカットして使いました。
ひだを取って折りたたんだハンカチの両端が髭のようにあごの部分に飛び出すのが特徴です。上部のワイヤーの中心を鼻の上で抑えてひだを開いて顔の形に合わせます。
完成
単純ですが、意外と立体的な形が出来たと思います!
もともと折り紙とか風呂敷とか平面に鋏を入れずに自分で形を作って用途、目的に合わせて使う文化があるのだから、こういう時こそ生かしてみたいですよね!
ぜひお気に入りのハンカチで、マスクファッションを楽しんでみませんか?
生地が幾重にも重なるので、綿ローンのような薄手のハンカチで充分、あまりハンカチのサイズが大きいと生地がだぶついてしまうので、小さめか中ぐらいのサイズ(大体40cm以内)を選ぶとよいです。とても肌触りが良くて気持ちよく、花粉対策ならこれでバッチリです。
麻崑スラブの浴衣反物と同じ経糸、横糸だけ打ち込み本数を減らして透け感のある薄手のストール生を試作してもらいました!
横糸は40番手のコーマ糸 左の方が横糸の打ち込み本数が少なくて透け感があります。
横糸をスラブ糸ではなく、細いコーマ糸にしたことで、縦のランダムな縞模様が際立ちました。
左の画像は浴衣地と同じ横糸がスラブ糸ですが、打ち込み本数を減らしたものです。
最初は横糸をスラブにするつもりでいました。けれども こうしてサンプルを見比べると、コーマ糸の方が縦の太い線の縞模様が強調されてすっきりと見え、コントラストがきれいだと感じました。
薄手ですが、ガーゼ生地などと違ってとても折りたたみやすく、雪花絞りや板締め絞りが綺麗に染められそうです。特に小柄の雪花絞りには折山が がさばらなくなるのでうまくいきそうです!
縦の縞模様が目立つので、嵐絞りの斜めの線と交差させても面白そうです。
久々にブログを開いてみたら、すっかり仕様が変わっていたので戸惑いました。
このところ知多木綿の二重ガーゼストールをたくさん染めています。
使っている染料は柿渋、インド藍、西洋茜、この3種類の染料にアルミ媒染のみ
柿渋だけでも白木のようなナチュラルな色身できれいだが、これはタンニン下地として、草木染の染色に使える。木綿の草木の染色を、私はいつもここから始める。木綿はそのままでは藍染以外の草木の染料は染まりにくく、まずは下地の処理が必要だ。柿渋下地にアルミ媒染してから茜の染料を重ねる。
淡い茜と藍を重ねる
茜の淡いピンクはたくさん染めることが出来る。柿渋と淡い茜の重ね色にさらに淡い藍を重ねると柔らかいパステルトーンのグレーが出来る。
茜が鮮やかな濃い赤色に染まるのは最初に生地を染液に入れたときだけだ。
充分に濃い茜色に染めた後、まだ染液の色は残っているが、後は淡いピンクにしか染まらない。いくら長時間浸してもそれほど濃くはならないが、濃い赤よりもずっとたくさん染めることが出来る。だから濃い茜色を染めるためには、副産物のように淡いピンクがたくさん出来てしまう。
1番液の最も鮮やかな濃い茜色を染めるために2枚同時に染液に入れてグラデーションに染める。そのあと再びアルミ媒染した柿渋生地を入れると淡いピンクを染めることが出来る。
久々にブログの更新です!最近ちょっとブログの更新がおろそかになっていましたが、久しぶりに記録を残しておきたいと思いました。
今回記録しておきたい生地は、手紬風の凹凸のある糸がランダムに混じったスラブ生地。麻が15%入っています。15%というと割合としてはかなり少なく感じますが、それだけでも綿100%のスラブ生地とは随分質感や手触りが違います。
木綿は縦横同じようにしわが出来るのに対して、麻は1方向に独特のしわが出来る。少し張りがあって綿より折り目がつけにくいけれど、その分染料がふわっとにじんで柔らかい雰囲気に染まる。
出来れば、複雑な色味に染めたい。雪花絞りを染める前に、反応性染料のターキスブルーで地染めをする。それから畳んでスレン染料の黒で雪花絞りを染めた。
麻混のスラブ生地は、綿100%のコーマ生地より凹凸がある分意外とボリュームがあり、1反分畳んだ時、コーマ生地より少し長い三角柱になった。
反応性染料のブルーは抜染してもあまり色が抜けないので、かなりターキスブルーの色が強く残った。
この上に草木の染料を重ねてもう少し色を和らげてみたい。
黄色系を重ねて緑にしようか?それとも、茜のピンクを重ねて、無彩色に近いグレーにてみたらどうだろうか?無彩色の中に、よく見るとブルーやピンクの色が複雑に混じりあって見える。
そこで、西洋茜を煮出してみることにしました。茜は1番液、2番液、3番液を合わせて、柿渋下地にアルミ媒染で染めます。
濃い茜を2回重ねて、上の写真から下の写真のような色に変わりました。
反応性染料のターキスブルーは、それほど濃くはないのですが、それでも草木の自然な色に比べるとずっと強い!濃色の西洋茜を2回重ねてやっと反応性染料のブルーと、西洋茜のピンクの中間の色になりました。
仮着装してみました。かなり渋い雰囲気です!
先染めした下地の色の濃度の違いと抜染したときの色の抜け方の違いは微妙で予測が難しい。
紫グレーに染めた地色より赤く染めた部分の地色の方が若干多く残った。
少し色がどぎつく感じたので、薄めた柿渋を何度も重ねた。秋の紅葉と枯れ葉のイメージです。
このページに掲載した雪花絞り反物はYAHOO!ショッピングに出品しています。
https://store.shopping.yahoo.co.jp/sekkasibori/c3ddc1a1b0.html
地色をグラデーションに染めてから畳んで抜染しました。こちらは5列屏風畳、13mの雪花絞り反物です。
上前の肩の部分に紫の濃い雪花の模様が来るように柄合わせするのが良さそうです。
左肩は模様の薄く出た水色地色を持った来て、片身変わり仕立て風にするか、両方上半身に濃い模様を持って来て大体左右対称に仕立てるか?
顔に近い部分に模様がはっきりしている方を持って来て、下半身の方は模様の薄いブルー地、裾に濃い模様が少し出るくらいに仕立てるのが良いかな?
クリーム色の夏帯が意外とよく合いました!帯締めは組紐より生成りの皮ひもの方が雰囲気に合うみたい。どこかに和装用でないものを取り入れてしまった方が面白い。
このページに掲載した雪花絞り反物はYAHOO!ショッピングに出品しています。
https://store.shopping.yahoo.co.jp/sekkasibori/c3ddc1a1b0.html
レマゾール染料のターキスブルーにブリリアンレッドを重ねて紫色に地染めをしました。
ターキスブルーはハイドロサルファイトと苛性ソーダではほとんど色が抜けないので、、後から重ねた赤味の色だけが抜けて、明るいブルーの地色に紫の曲線が浮き出した雪花絞りになりまになりした。
グレーのぼかしは、淡いスレン染料の黒が浸透したところです。
絞り染めなのに、面相筆で描いたような細い曲線をを残したい!
そう思って狙っても、太くなりすぎたり、消えてしまったり、なかなか思い通りにならないのですが、これはかなりうまく行きました。
6列屏風だたみは13.5m1反分だと容器に入らずはみ出してしまうので、残念ながら、半分の6.7m。
スレン染料に浸す前に底辺2カ所に、ほんの少し湯を差す。ここは水ではなくて、湯であることが、すっと伸びた曲線を作るのに重要な条件の一つ。常温のステンレスの容器に、沸かしたてのお湯を注いだ時の温度、ステンレスの容器で少し冷めた状態位で丁度良いようだ。
ステンレスの容器も温めて湯が全く冷めないようにしたのは、温度が高すぎて拡がり過ぎてしまい、良い結果が得られなかった。
それと地染めの染料の濃度と、抜染を兼ねるスレン染料の助剤、苛性ソーダとハイドロの分量の調整、これが難解だ!
半年ぶりに久々のブログの更新です。 YAHOO!のショッピングサイトに出店するようになってから、やっとHTMLを多少覚えたので、何とかコンテンツのレイアウトが出来るようになりました。 そこで、ストールの巻き方についてまとめてみたいと思います。
ボリューム感の出る、応用範囲の広い巻き方です!こちらは標準的な長さ170cmの竹布の嵐絞りストールです。
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4 完成!同じ巻き方ですが、ちょっと緩めるか、しっかり巻くかだけでも雰囲気が変わります!
肌寒い日は襟元を開けずにしっかり巻いて、垂れ先をジャケットの中に収めれば風よけになります。
2m×37cm
茜のグラデーション地色の嵐絞り竹布ストール
2mある長いストールで同じ巻き方をするとこのぐらいです。ゆったりと巻いてアクセサリーとコーディすれば、エレガントな雰囲気になります。
このページに掲載した竹布嵐絞りストールはYAHOO!ショッピングに出品しています。
https://store.shopping.yahoo.co.jp/sekkasibori/c3ddc1a1b0.html
地色を濃い赤と紫のレマゾール染料でグラデーションに染めてから、淡い黒のスレン染料で、雪花絞りを試みた反物です。
地色の濃い赤が抜けたところは少し赤味の渋い黄色が残った。
紫色が抜けたところは意外ときれいな緑になっている。この部分の地色はレマゾールの赤い染料が薄く、そこにターキスブルーが重ねてあった。
スレン染料 黒の雪花絞りは、ハイドロサルファイトと苛性ソーダの分量に対して染料を少なめにすると、色が全体に薄くなるというよりは、黒く染まる面積が少なくなるようだ。そしてレマゾール染料の地色が抜ける面積が拡がる。
一方で、地色のレマゾール染料は濃くしておいた方が、色の抜ける面積は少なくなる。
地色をグラデーションに交互に染めることで、スレン染料を浸透させたときの色の抜け方が均一でなくなるが、それが変化になって、かえって面白いと感じた。
浴衣に仕立てるときの柄合わせは、どこを上前に持ってくるかで若干印象が異なるのも面白いところ。
赤い模様が出ているところを顔の近くに持ってくると、帯揚げの色は緑に変えてみたくなった。
こちらは春の新緑のイメージにもなるだろうか?
浴衣として1枚でさらっと着るよりも、半衿や帯揚げなど、いろいろ変化を楽しみながら、カジュアル着物としてコーディネートを試してみたい。
この色目なら夏でなければならない理由はないし、やっぱり秋の紅葉の季節に合わせたり、お花見の時期に着られたらいいなあと、私は思っています。
着物は洋服と違って、重ね着したり、ウエスト周りは伊達締めだの 帯だの 帯揚げだの、いろいろこれでもかというほど巻き付けても、なぜか着ぶくれして格好悪いという感じにはならない。
だからいろんな紐とか布とかガラクタに至るまでコレクションして使ってみたくなる不思議な世界!?と思っているのは私だけ?
だけどやっぱり夏はあんまりぐるぐる巻きつけると暑い。
地色をグラデーションに染めた抜染の雪花絞りの柄合わせを確かめたくて、試しに仕立てに出してみました。
地色が紫のところとグリーンのところでは、雪花絞りの柄の出方も違います。
片身変わり仕立てのような雰囲気になるとは思っていたのですが、裁断の仕方で仕立て上がりの印象も変わりそうなので、ちょっと不安もあります。
上前の柄合わせを最優先にして、だいたい地の色を交互にずらすように頼んでみました。
実は上前だけはグラデーションの地色をだいたいあわせるか?それとも交互にずらすか?だいぶ迷いました。
結局、後ろの背縫いと同じように交互にずらす方を選んでしまい、仕立てあがったのを見て、ちょっと失敗したと思いました(u_u。)
完全に連続しなくても上前は大体グラデーションをそろえた方が、ここはスッキリまとまったかなとちょっと後悔しています。
あるいはあまり深く考えず、成り行きに任せて適当にずらしたくらいでも良かったかな?とも思いました。
帯は、古いもので、お太鼓に結んでいた形跡がありましたが、御太鼓お部分に限って汚れが若干目立つので、半分に折って半幅のように使ってみました。
貝の口に結んだら分厚くなって結びにくいように感じたのですが、半幅帯よりボリュームが出て、女性的な貝の口になったように思います。
たれ先はさすがに4重に畳むのは無理だったので、扇型に開いて、中をゴムで止めました。
帯はひもや帯締めでしっかり固定しました。ひもは帯揚げでくるんで隠しています。
この浴衣は「仕立ててネット」 に仕立てていただきました。
抜染の雪花絞りの生地を2種類組み合わせて、久しぶりにバルーンスカートを作ってみました。
地色をグラデーションに染めてから抜染した雪花絞りの反物のうち、浴衣に仕立てるには、ちょっとピンと来ないと思った染め上がりの生地ですが、スカートにしたら面白いかもしれない、ふとそう思いついて作ってみました。
生地はグラデーションに染めて、色味に変化があるので、最初の1枚めは全部同じ反物で作りました。
今までに作った雪花絞りのスカートとは、ひと味違った雰囲気?
そう思いつつ染まった反物を眺めているうちに、やっぱりグラデーションでも2種類組み合わせたほうが面白いいのではないか、この組み合わせはどうだろう?そう思って作ったのが上の写真です。
地色は赤紫からグリーンのグラデーションに染めた2種類の反物。それぞれ黒のスレン染料で地色の抜染を兼ねて染めたものですが、色の抜け方がかなり違います。
上は思ったより抜けすぎてしまい、下は地色が残りすぎたと思ったのですが、両方合わせてみると同系色の濃淡で変化のある組み合わせが出来ました。
うーん(゜-゜) こっちの方が面白い・・・・
2反の反物を195cmにカットして、4枚分のスカートと、おそろいの2mのストールを2枚分とることができました。
裏地はインド綿のざっくりとしたガーゼ地のようにも見える、からみ織のショール生地を2重にして使っていましたが、もう残り3枚分とったら在庫がなくなりました。この生地は気に入っていたのですがもう手に入りません。
これがなくなったら手ぬぐい地の特岡を裏地に使ってみるのもよいかもしれない。こちらはひとえで十分なボリューム感が出せるし、とても肌触りは良かったし.....
秋色の雪花絞り反物
レマゾール染料で黒と赤のグラデーションで染めた反物を、スレン染料の黒で、抜染と染色を兼ねて染めだした雪花絞りは、黒地の部分と赤い地の部分でギャップがありすぎるように感じました。
そこで柿渋を重ねてアルミ媒染し、えんじゅの黄色を重ねました。
これで、黒地の部分の雪花模様の色が抜けたところが、黄色みの柔らかい色になり、前より落ち着いたと思います。
それでも前回試した黒だけのグラデーションよりコントラストが激しいので、着物に仕立てたら、どんな雰囲気になるだろうと思い、さっそくボディーに着せてみました。
予め、白地を残してレマゾール染料の黒の濃淡で染めた反物を折りたたんで、スレン染料黒の雪花絞りを染めました。
スレン染料に浸す前に、高温で溶いたレマゾール染料でかすかな赤の色注しをしています。
レマゾール染料の黒1色だけなので、他の2色のグラデーションの地染め反物よりは地染めが楽でしたが、このぐらいでも、全部黒1色に染めてから抜染するよりかえって面白いと思いました。
赤と黒のグラデーションの地色に、薄めたスレン染料の黒。黒地のところと赤の地色のところと、色の抜け方が全く違ったのは予想外だった。
黒のところは以前地色を全部黒に染めたときの抜染とほぼ同じ染まり方をしたが、赤のところは思ったよりだいぶ抜けてしまった!
つながりがなさ過ぎるような気がするので、もう一度全体に黄色を重ねたら、もう少しましになるだろうか?
こちらも赤と黒のグラデーションの地色は上と同じ。スレン染料の黒はさらに薄めて、ハイドロサルファイトと苛性ソーダを足して、より色が抜けやすいようにした。そして、スレン染料に浸す深さは浅くしてみた。
レマゾール染料の黒地の部分は全く予想外の色の抜け方をした。真っ黒に残ったところと、なぜかグレーに残ったところと、くっきりと2色に分かれた。これはスレン染料の色ではない!
赤いところはもう少しだけ色が残ってほしかったが・・・・なかなか思い通りにならない。
これで、スレン染料の状態は同じでも、レマゾール染料の濃度で、ずいぶん色の抜け方が違ってくることはよくわかった。
地色を生かした黒から白のグラデーションは大体思った通り、きれいに染まったと思いますが、赤と黒のグラデーションはギャップがありすぎて、イメージ通りにはならなかった。
レマゾールの黒をもっと薄めてグレーと赤のグラデーションの地色を作ってもう1度挑戦してみたくなった。
紫とエメラルドグリーンのグラデーションの地色は染めるのにいちばん苦労したので、まだもう少し慣れるまで保留にしておこう!
地色をレマゾール染料でグラデーションに染めてから抜染の雪花絞りをすると、変化のある今までとは違った雰囲気の雪花絞りが染められることに気付いたので、とにかくひたすら地色を染めました。
きれいなグラデーションにするのに、なかなか1回の染色だけでは決まらず、3回ぐらい染め重ねずにはいられない。
染色温度は約60℃、染色時間はソーダ灰を入れてから1時間、その間60℃を保つようにする。
連日の猛暑のせいもあってとにかく暑かったが、新しい雪花絞りを試してみたくて、染めてはたたむ作業を繰り返し、やっとカラフルな三角柱の準備ができました。
白生地をたたむだけよりだいぶ時間がかかってしまったので、なるべく失敗はしたくない。
下手に抜染するよりこのままの方がきれいかもなんて思いながら、とにかく仮留めしたひもをもう一度きつく締め直します。
両端には折りたたんだ新聞紙をクッションとして挟んでいます。
この新聞紙をクッションにしてさらに板で締めていたのですが、結局板が影響するのは両端だけ、角にひもが食い込むのを防ぐために板を挟むだけなのだから、厚く重ねた新聞紙でも板の代用になるのでは?
普段木工をやっているわけでもないので、板を正確に切る作業は結構大変、厚く折りたたんだ新聞紙で代用できればもっと簡単にいろんなパターンの雪花絞りが試せる。そう考えて、新聞紙で間に合わせてみることにしました。
今年も有松絞り祭りに出展しました。
昨年はかなり蒸し暑かったような気がしますが、今年はそれほど暑くもなく、初日はお天気にも恵まれて快適でした。
屋外のイベントはいつも天気予報が気になります。夕方から雨ということで心配でしたが、1日目は無事天気も持ちこたえました。
雨が降っても小雨ですむだろうと思っていたのですが、二日目、日曜日の午前中はかなり本降りの雨になってしまいました。地面に雨水が流れ込んできて、とにかく商品を濡らしてしまわないように必死でした!
こういうときは地面にビニールシートをひいてもまったく意味が無かった。今日はホームセンターをうろうろしながら、水はけシートを持っていくべきだったんだなとつくづく思いました。
午後からだんだんと晴れてきたので助かりましたが、ディスプレー用の布が濡れてしまったのを搬出までに乾かしきることが出来ず、宅急便の荷物の中に入れることが出来なくなって自分で持ち帰るはめになりました。
矢羽根を思わせるようなきれいな雪花絞りの暖簾が軒先を飾っていました。
通りがかった山車をあわてて写真に撮りましたが、うまく撮れませんでした。
今年もかなりの人込みでにぎわっていました。やっと有松もここ数年で、多くの人に知られるようになってきたのだなと感慨深く思いました。
コーマ綿の反物1反の地色をレマゾール染料の青味の黒でしっかり染めてから半分に切って1/2反づつ、それぞれスレンの黒で抜染と同時に染めた6列屏風畳み正三角形のパターンの雪花絞りです。
スレンの黒の染料は苛性ソーダとハイドロの溶液で薄めています。
今まで反応性染料はプロシオンMの低温染色しか使ったことが無かったのですが、これで1反分濃色に染めるのはあまりにも効率が悪いため、60℃ぐらいに温度を上げて染めるレマゾール染料を選んでみました。
ぬれているときは真っ黒に染まったように見えましたが、1回の浸染で真っ黒にはならず、乾かしてみると、学生服のような濃紺に染まっていました。それでもプロシオンMよりは、ずっと効率よく濃く染まりました!
これを折りたたんで締め、スレン染料の黒で抜染をかねて雪花の模様を染め出します。
抜染染色で雪花の模様を染め出すスレン染料の黒は、薄めたほうが面白い染まり方をするのではないかと思い、苛性ソーダとハイドロの溶液を後から足して薄めました。染色温度も、通常のスレン染料の染色より高め、70℃ぐらいに上げました。
下の中央の大柄の雪花絞りは紙布の反物です。こちらの地色は低温染色のプロシオン染料で染めています。大体黒っぽい地色に染めていますが、茶色やグリーンなど、何色か重ねて、濃いグレーにした地色です。色の抜けたところは予想以上にビビットな黄色になりました。両端のコーマ綿(地色がレマゾールの黒)とはぜんぜん違う色に抜けています。
抜染染色に使ったスレン染料の状態はほぼ同じです。左端が1番、右端が2番、中央が3番の順番で染め、4番目が上の右側の雪花絞りです。
左端を最初に染めてから、右端を染め、ハイドロを少量追加してから、中央の大柄を染め、最後に再びハイドロを少量足して上段の右を染めました。
最後の雪花絞りだけ、色の抜け方が弱まり、紫みの色が現れています。1回抜染染色するごとにハイドロの効力は弱まるのではないかと思っていたので、1回ごととに少量のハイドロを追加しながら作業したのですが・・・4番目だけ色の抜け方が弱いのはなぜ?
ハイドロはちゃんと足しているので、たぶん染めてから開くまでの時間が短すぎたのかもしれない。他は吸い込んだ染料がさめてから開いていたのですが、これはまだかなり熱いうちにに冷まさずすぐに開いてしまったからではないか?
開いたとき、ほとんど色が抜けていないように見え失敗かと思いましたが、洗っているうちに紫味がかった模様が浮き出してきて、ほっとしました。
細いシャープな線を残そうとするより、こちらの形に残す雪花絞りの方が、極端な失敗が少なくリスクが低いと思いました。
桜の花びらのような形になるので、もう少し明るい春らしい色目で、お花見に着られる雪花絞りも染めてみたいと思いました。
中央大柄の雪花絞りはあまりにもコントラストが強く感じたので、草木の染料を重ねて、色を和らげてみたくなりました。
淡い柿渋を重ね、アルミ媒染してから、反物の半分は西洋茜、他の半分はエンジュを重ねました。
西洋茜を重ねた左側は金茶のような色になって、かすかに色味が違います。
雪花絞りは同じパターンの繰り返しなので、どこかで崩してみたくなったのですが、着物に仕立てたときどう出るでしょうか?
確かめてみたくて、ボディーに着せてみました。
かすかな色身の違いですが、上前をどちらの色にするかで多少印象が変わるかもしれません。
やはり、抜染しただけの色よりかなり落ち着いていると思います。
美濃紙を横糸に織ったというこの反物はコーマ綿より厚手で、その分染料ののりも良く、深みのある色が出せたと思います。
秋冬に着られる着物になりそうです!
地色を赤紫からグリーンのグラデーションに染めてから、スレン黒の染料を薄めて抜染しながら染めた雪花絞り反物です。
抜染した部分も完全に色が抜けるわけではなく、特に青系の色と、黄色味は残っていました。
染色材料店に反応性染料の抜染について問い合わせたとき、ターキスブルーは色が抜けにくいと言っていたのですが、確かに明るい青の色がかなり強く残っています。
ターキスブルーは他の色より染まりにくく尿素を多めに入れないと水洗いでかなり色が落ちてしまうのですが、染まりにくく、いったん染まると抜けにくいということがわかりました。
紅い染料はほとんどきれいに色が抜けていました。赤系は染まりやすく、抜けやすい性質のようです。ということは抜染に適した染料ということです。地色を赤だけに染めたものも試してみたいと思いました。
地色をグラデーションに染めてから折りたたんだので、グリーンと赤紫のきれいな縞模様が出来ました。
こちらは拡大画像です。
地色の紅いところが一番気に入っています。
この紅い地色だけの抜染の雪花絞りを染めてみたい。
緑の地色のところも近くからよくみると淡いグリーンの花型の線がきれいに出ているのですが、遠めにみると、黒の模様だけが目立ってしまってほとんど見えなくなっているのが残念に思いました。
その後、同じようにグラデーションの地染めをした反物を再びスレン染料の黒で抜染染色をしたのですが、思い通りにならず、左は抜けすぎ、右は地色が残りすぎて細いシャープな線を染め出すことが出来ませんでした。
雪花絞りの染色を始めると、いつも平常心を保つのもむずかしくなる。
なかなか思い通りにならず、反物は水を吸うとかなり重くて体力は消耗するし、いらいらカリカリしながら染めている。
肩身替わり仕立ての雪花絞り着物、今まで何度かコーディネートを試みてみたものの、なんとなく、ぴったりと合う帯が見つからなくてぴんとこない。
こういう場合帯揚げを帯の上に出すことで新たな変化をつけることは出来ないだろうかと考えた。帯ほどがさばらないし、洋服のストールでも代用できる。
今回選んだ帯はアンティークの少し渋めの朱色の帯、未使用なのか?ぜんぜん折り目が付いていない。どんな結び方をしていたんだろう?
少ない知識を総動員して、自己流に考えてみる。基本はカルタ結びがベースですが、これは半幅帯ではなし、縦半分に折りたたんで、普通のカルタ結びにしてもかっこうがつかない。
お太鼓は嫌いだし帯枕は使いたくない!今回もストールの帯揚げは後ろで結び目を作って、そのボリュームを帯枕代わりにする。
帯の結び方はカルタ結びとふくらすずめ?のあいのこみたいな結び方、これで結構様になったんじゃないかと思う。
色味としては、帯の朱色だけより帯揚げストールの黄色味の無いピンク系の色が入ったほうが、豊かな感じがする。
帯締めはムラ染めの皮ひも、半衿は正絹の鹿の子絞りの端切れ、帯揚げストールは嵐絞り、帯以外は絞り尽くしのコーディネートです。
もちろん夏ではなくて、気候の良い時期に着たい雪花絞り着物のコーディネートです。
雪花絞りの模様は桜の花びらのようにも見えるので、今年はぜひお花見に来て出かけたいと思っていました。
地色は淡い若草色、まだ肌寒さも残っているので、長じゅばんは冬用を選びました。実家に有った古い襦袢で、正絹ですが綿の裏地がついています。
半衿はオフホワイトの帯地だった生地を使いました。厚手の生地なので暖かそうに見えます。この時期着るなら衿は広衿、ばち衿よりやっぱり暖かい。
どこかに桜の色を感じさせるピンクを入れたかったので、プロシオン染料で地色を明るいピンクに染めた嵐絞りのストールを帯揚げに選びました。
帯はお気に入りの羽根付きかるた結び。少しボリュームを加えたいので、帯揚げは後ろに結び目を作り、帯枕のように利用します。
カジュアル感を強調したいので、帯締めは皮ひも2本、足袋は色物にしました。
桜の時期はけっこう風も強かったりするので、長じゅばんの下はすそよけ代わりにマキシム丈の薄手のギャザースカート、これですそが強風にあおられてめくれてもとりあえず安心です。
いつでも着物で生活しているわけでもないし、ぎこちなく無理して着るよりファッションのバリエーションとして、染織を生かす手段として、着物を楽しみたいと思います。
嵐絞りの2枚のストールを着物風に身に着けてみました
大判のストールをふわっと肩にかけて、というスタイル。見た目には優雅ですが、実際に身に着けてみると、腕の動きを妨げたりして意外と着にくい。
そこで着物の着方を取り入れて、帯板など使って形を作ってみたらどうだろう?そう思いついて試してみました。
着物用の紐と帯板を利用して前をあわせ、腕の動きを妨げないことを確認してから、帯板をもう1枚のストールで包むようにして結びます。
2枚の長方形の布が着物風のベストになりました。ストールを肩にかけるだけよりずっと動きやすいです!
帯はカルタ結び。
この結び方は、帯にまったく結び目を作らないのにしっかりと締めることができて、初めて知ったとき感動しました。
ただまったくボリュームが出ないだけに、着物でドレスアップしたいときはちょっとこのままでは物足りない感じも。
どちらかというと、女性の労働着のむすび方だったのではないかなあと思っています。
このカルタ結び、サッシュベルトのようでもあり、意外と洋服と相性がいい。
帯の結び目は後ろに回さずに斜め前にしておくと、ちょっとした物入れにもなって便利です。
シルクは一度熱を加えるとしわが取れにくくなる性質があるので、絞りのしわをある程度固定することが出来ます。
柿渋を加えて固めることで、嵐絞りのプリーツのようなしわを、洗ってもあまり伸びないように加工することができます。
シボの中に空気が入ることでボリューム感をいっそうきわだたせることができるので、ふっくらとしたボリューム感を生かすむすび方をしたいと思います。1)ストールを半分に折りたたんで肩にかける
2)わの方にストールの端の紅い方を入れ、わの部分を1回ねじって黄色の端を通します。ここまでは藍の嵐絞りのストールの巻き方3と同じです。
3)さらに紅い方の端を黄色のほうの下から交差するようにわの中に通します。前回のストールの巻き方3より交差の回数が1回多い長いストール向きの巻き方です。
形を整えて完成です。あまりきつく閉めずにゆったりと巻くときれいです。嵐絞りのしわ加工が空気を含んで、ふっくらとした暖かさがあります。男女兼用の巻き方です。
2)輪になっている部分にストールの片方の端を通します。
3)輪になっている部分を1回ねじり、そこにもう片方のストールの端を通します。
4)形を整えて出来上がりです。ゆるめにふっくらと巻くと適度なボリューム感がでます。
竹繊維のストール生地をたくさん仕入れたので、長めのストールの巻き方を、いろいろ考えてみました。
少し厚手のしっかりしたタイシルクの大判のストール生地が手に入りにくくなったので、いつも雪花絞り用のコーマ綿反物を仕入れている織り元の工場に昨年の夏出向いて選びました。
柔らかくさらっとしていてドレーピングがきれいに出来る生地ですが、やっぱり紬の絹のような暖かさは無いので、春夏向きの雰囲気です。どちらかというと草木の柔らかい色より科学染料や藍ではっきり染めた方が色の映りがよいように感じました。
嵐絞りの少しよろけたストライプがさざ波のようにも見えて、生地のドレープを引き立てています。
ストールの両端を片方に流す巻き方は、すっきりとして目線が縦にいくので、スマートに見せる効果があります。
2)向かって右のストールの端をもう片方のストールの端の下に通して折り返します。
3)折り返した先を首の中に入れ、2重になった生地の間から引き出して形を整え完成です。
スレン染料で染めた雪花絞りは、インディゴピュアで染めた雪花絞りより濃淡の幅が広く柔らかい雰囲気に染まるので、地色はあまり濃く染めなくても良いように思いました。
ただ染まり方によっては、地色を染めてみたいと思ったのもあったので、やっぱり試してみました。
柿渋を少し濃い目にすると、インディゴピュアの雪花絞りの時よりぐっと渋くなって、男物にしても良いかなあと思いました。半衿や帯など明るめの強い色を入れてみると、素朴な中にも色味の豊かさが引き出されたと思います。
スレンの黒の雪花絞りにエンジュの黄色を重ねた色の組み合わせは、なんとなくアニマル柄を連想させます。黒に黄色が重なってカーキグリーンに近い色になっているので、迷彩柄のようにも見えます。
土臭い雰囲気を強調したかったので、半衿は濃い柿渋染め、帯締めは皮ひもにしてみました。全体が同じような雰囲気になりすぎてピンと来なかったので、帯揚げに人工的でビビットなピンクを入れてみました。
半衿と帯揚げをセットにして雪花絞り着物とコーディネートしたいと思い、細幅の竹繊維のガーゼ生地も雪花絞りに染めました。
こちらは生地が薄いので縦に2つ折して、生地を2重にしてから折りたたみます。浴衣地より細かくたたむことが可能ですが、腰が無くてたたみにくいので、アイロンを使いながら三角形にたたみました。
地色を紫グレーに染めてからたたみ、スレンの黒で抜染しながら同時に染めます。
染浴に沈めるタイミングに注意しながら最終的に全部染料の中に沈めました。その後30分ぐらい沈めたままにしておいたので、折山がかなり濃く染まったように思います。色の抜けたところがこちらは黄色身がからず、グレーに抜けました。色のバランスはかなりうまくいった方だと思います。
雪花絞り着物は柄がかなり強いので、柄物の半衿と合わせるのはなかなか難しいのですが、ぴたっと決まったときはうれしくなります。この浴衣地とのコーディネートで白い帯と合わせたときはぴんとこなかったのですが、黒い帯に変えたら良くなりました。皮の帯締めのムラ染めもたまたまよく合いました。
アンティークの帯は幅が細いものが多く、普通の帯板でははみ出してしまうので、帯揚げ代わりにストールで覆い隠してコーディネートしてみるのも面白いとおもいます。
プロシオン染料で地色を黒に染めてから抜染して反転の雪花絞りを染めよう、そのときスレン染料の淡い黒がほのかに入るようにしてみたい、そう思って試してみたのですが、想定していたのとは少し違った染め上がりになりました。
やはり手染めで黒に染めるのはなかなか大変で、緑がかった濃いグレーになってしまいました。この色も悪くないと思い雪花絞りの抜染の作業に入ることにします。
雪花絞り用の容器にしている細長いステンレスの入れ物は4,5リットルぐらいの容量なのですが、これで染められる反物は3反ぐらいです。3反染めるとまだ1リットルぐらい染液が余るのですが、もう1反染めるには溶液の深さが足りません。
そこで、余ったスレン染料の黒に苛性ソーダとハイドロサルファイトの薄め液を1リットルほど足して、薄い染料の混じった抜染液にします。プロシオン染料の色をしっかりと抜きたいので、抜染液の温度はいつもの染色のときより高くしてみました。70℃ぐらいです。
プロシオン染料は色を抜くと、黄色っぽい色が残るので、抜染された部分が黄緑色のような色になるのは大体想像がつきました。ところが色を残したかった地色のほうも少し抜けてグリーンがかった濃いグレーが小豆色のような赤みが強く出た色に変わっていました。これは予想していなかった色味です。
地色が小豆色のような印象に変わってしまいましたが、雪花の模様が淡い黄緑のような色に抜けたので、補色関係の組み合わせになって、それなりに染まったと思いました。
着物というよりは帯にしてみたいような柄かなとも思いました。
インディゴピュアの雪花絞りの染色では、折りたたんだ生地を水か薄めた苛性ソーダ液などに少し浸してからインディゴピュアの染液を浸透させることで模様の濃淡や形などを調整します。
この調整液に色をつけてみたら染料の軌跡が一層わかりやすくなる上、カラフルな雪花絞りが出来るはず、というわけで、試してみることにしました。
この調整液は建て染め染料とは性質の違うプロシオンM染料を使いました。
前回の抜染の雪花絞りでは地色を全部染めてから生地を折りたたみました。
今回は白生地をたたんで、それから三角の底辺の部分にプロシオン染料を吸い上げます。さらにインディゴピュアの染料の中に沈めて生地全体に浸透させます。
最初にプロシオン染料が浸透した部分には他の染料が入れないので、まだ乾いている部分に、インディゴピュアの染料が入っていきます。それぞれの染料液に入れ替えるタイミングで模様の出方は変わってきます。
なるべくはっきり色を分けるには、最初の染料から出した後、その染料がにじんで広がらないうちになるべく早く次の染料液に入れればよいはずです。
実際試してみると、思った以上にくっきりと色が分かれました!
実はスレン染料は何年も前に数回小物を染めたことがある程度で使い慣れていません。
この染料は色によっても染め方が違ってくるのでちょっと面倒でとっつきにくく感じていました。そんなわけで、いつか染めようと思いながらのびのびになっていました。
その中でも特に大変そうな黒にやっと挑戦です。実はスレンの黒は染めたことがなっかたので、還元した時どんな色になるのかも知りません。
染色材料店でもらったマニュアルを見ながら染料の還元液を作ります。苛性ソーダ液がボーメ38?!そんな濃い溶液が必要なんだろうかと驚きました。
とりあえずマニュアル通りに還元液を、雪花絞り専用にしている容器に入る分だけ(4リットル)つくります。4リットルで染められる雪花絞り反物は3反ぐらいです。
スレン染料の黒をマニュアルに従って還元してみると、あまり色が変わらなかった。よく見ると少し紫がかった色に変化しているようではある。これで大丈夫なのだろうかと少々心もとない思いをしながらも、とりあえず最初の1反を染めてみる。
インディゴピュアよりずっと染料の浸透がよく、浸透剤を足す必要はなっかた!
インディゴピュアもスレン染料も苛性ソーダとハイドロサルファイトで還元して染めるという点では似ていますがが、これほど違う染まり方をするとは!
染料を吸い上げた後の酸化発色、水洗いの過程は、インディゴピュアに比べて流れてしまう染料がずっと少なく、酸化発色も早くて楽でした。インディゴピュアのようにひどい発色ムラが出来てしまうリスクはほとんどないように思いました。
染め上がりを見てみると、スレンの黒のほうがインディゴに比べて濃淡の幅が広く、輪郭がぼやけるので、柔らかい雰囲気に染まります。ただ、インディゴピュアの時のようなシャープな細い線を描くことはそう簡単に出来そうにありません。
だとすると、スレンの藍色やバット染料はどんな染まり方をするのだろう?インディゴピュアとインド藍はほとんど同じような染まり方をしましたが、スレンやバット染料の藍染は違うのだろうか?
いつか六本木のラフォーレで見た昭和初期の雪花絞りの着物はインディゴピュアで染められたものと思っていましたが、もしかすると違うかもしれない。昔から浴衣や手ぬぐいにはバット染料が用いられていたと染色材料店のカタログにはありました!
しばらく黒のスレン染料を研究してみようと思いますが、いつかこちらも確かめてみたいと思います。
あらかじめインディゴピュアの淡い色で水色に染めた後、プロシオン染料のブロン濃色を重ねました。
いつものように5列屏風畳のパターンにして、インディゴピュアで雪花絞りを染めます。前回の抜染の雪花絞りより雪花絞りの染料を濃い目にしました。
こちらは正三角の底に当たる頂点2点を苛性ソーダ溶液にしっかり浸してから、加熱したインディゴピュアの染液に入れます。
プロシオン染料が抜けた後は、思いのほか黄身の色が抜けずに強く残りました。インディゴピュアの色はは、黄色の染料を新たに重ねていないのに、ほとんどグリーンなりました。
最後に色止めも兼ねて淡い柿渋を重ねます。それほど色が変わるわけではありませんが、ほんの少しの柿渋で、やはり全体のトーンも落ち着きます。
どんな感じになるかな?と思い仮着装してみました。
エンジの絞りの正絹の半衿が以外と良く合いました。秋らしい色になったと思います。雪花絞りは私にとっては、やはり浴衣というよりも木綿の野良着のイメージが強いです。
雪花絞りの浴衣がはやらなければ、こんなに雪花絞りの反物を染める機会は無かったと思いますが、固定観念の塊みたいな呉服業界はいまだに好きにはなれません。
重ね染めだけでは得られないコントラストのはっきりした色使いの雪花絞りを染めてみようというわけで、今回建て染め染料とは性質の異なるプロシオン染料で地染めをしました。
プロシオン染料はハイドロサルファイトと苛性ソーダで色を簡単に抜くことができます。
雪花模様を染め出すのに使うインディゴピュアの還元液で、雪花の染色と同時に、地色の染料の色が抜けるので、重ねの色目だけでは出せないビビットな配色が可能です。
ただ、あまりどぎつい配色になるのが不安だったので、地色をかすかな淡いインディゴピュアで下染め、それから濃い目のプロシオン染料の赤を重ねました。地色は赤紫になりました。
最初の地染めのインディゴピュアの淡い水色は、ほとんど脱色されることなく最後まで残ります。これで全体のトーンが合って落ち着いた感じになると考えました。
狙った以上に渋目の落ち着いたトーンに染まりました。かなり渋いかなと思ったのですが、ボディーに着せてみると、花柄のようにも見える赤紫が意外とかわいい感じでした。
仕上げはやはりインディゴピュアの色止めもかねて、淡い柿渋を全体に重ねました。
暑すぎる夏も終わって季候がよくなる時期に、和装ならではのコーディネートを楽しみながら雪花絞り着物を着たいと思います。
反物で見ているだけではなかなか着姿を具体的にイメージしづらいので、ボディーに当てて、帯や半衿のコーディネートをいろいろ試してみました。
半幅の博多帯と雪花絞り浴衣はよく合うのですが、当たり前すぎて面白く無い。
何とかならないかなと思いながら、いろいろ帯締めを合わせているうちに出てきたアフリカ綿の細い帯、スカートのサッシュベルトにでもしようかと思ってずっと前に染めておいた大針の唐松絞りが、思いがけず雪花絞りとよくなじみました。
帯は必ずしも1本しか使ってはいけないという理由もないし、好きなものを好きなだけ巻けば良い!
アンティークの帯は太さも長さもいろいろで、現代の帯とは締め方も違ったようだ。帯枕なんてしょって歩くのは真っ平だ!おしゃれな紐やストール、帯揚げなどを使って適当に好きな形を作れば良い。
硬い衿芯を入れてしまうとあまり着心地が良くないし夏は暑苦しい。とはいっても肌じゅばんに直接浴衣だと衿が汚れそうな気がするし・・・・半衿などその都度着物に合わせていちいち縫いつけ直すのも面倒だ。
いっそのことストールを半衿の代わりに使ってみたらどうだろう。
じつはPinterestで、古い着物姿の写真資料を集めているうちに、絞りの着物の衿なのか?上の着物の衿の下からストールのように薄く柔らかく見える絞りの生地がのぞいている芸者の写真を発見した。
着物の衿なのかどうなのか?古い写真が不鮮明で良くわからないけれど、衿芯など入れてなさそうだしストールだっていいじゃない!
裾よけのひもにストールをはさみこんで形を整えて出来あがり!?ストールは後ろで1回ねじるとうまく衿の形になじむ。
ストールは薄手の透け感のあるシルクジョーゼット、久々にオーソドックスな藍染めの嵐絞りで染めました。帯揚げに使ったストールもおそろいの嵐絞りですが、こちらは木綿の平織りの少しぼってりとした生地です。
今年は雪花絞りの反物を片身変わり仕立てでお願いしました。
雪花絞りの着物は、どちらかというと夏よりも春、秋に着たい。そう思っているのですが、この時期になると普通の藍染めも悪くないかなという気がしてきます。
インディゴピュアは化学藍なので単独で使うと色が生っぽくて硬いように感じますが、藍の濃淡がなるべく淡い色から濃い色まで幅のある諧調に染めることが出来ると、そんなに悪くはないと思います。
かすかな柿渋を地色が生成りの色味に近くなるように重ねるとインディゴピュアの色もナチュラルな色に近づいて、一層柔らかくなるように思います。
夏の博多帯と合わせて仮着装してみました。濃紺の帯揚げを少しだけ見せて、全体の雰囲気を引き締めていると思います。
夏は半衿をつけずに衿を大きめに開けて着ると、着物も肌じゅばんも脇の下が開いているので、衿から脇の下に風が抜けて涼しいです。帯はお太鼓に結ぶと背中に熱がこもって暑いので、なんといっても半幅帯が快適です。
先日「片身変わり仕立て」の雪花絞り着物の雰囲気を見るため、仮着装してみたのですが、やはり反物だけで見ているよりイメージが具体的になってわかりやすかったので、他の反物も試してみました。
地色に藍の淡い色と柿渋を重ねてグレー系の色味に染めた渋い色味の木綿反物です。
帯はジュート麻のような厚手のアジアの手織り生地を柿渋でしっかり染めたものを選びました。アンティーク帯のように細めに仕立てています。
帯揚げは嵐絞りの2mほどのシルク生地を2重巻きにして、帯の上に巻きつけてみました。全体的に同系色のかなり渋い色でまとめたので、白と藍のグラデーションの帯締めを蝶結びにして少し目立たせ、金糸入りの帯地のベルトで押さえました。ベルトのバックルは後ろに回して帯の中に隠します。
半衿はなしにして、衿を少し大きめに開けると涼しいのですが、衿元が開きすぎてしまうような気がするので、シルバーのネックレスをコーディしました。柿渋とシルバーの質感はよく合うような気がします。
着物を2種類の反物を半分づつ使って仕立てる「片身変わり仕立て」に挑戦してみようというわけで、仕立て上がりをイメージできるように、ボディーにあててみました。
雰囲気がわかるように帯や半衿も付けてみます。
そこで迷ってしまったのですが、袖の生地も交互に変えてみたらどうだろう?やっぱり変えない方がいいだろうか?
さんざん迷ってとりあえず写真を撮ってみました。
背縫いのところから左右に生地を分けて仕立てると、ハンガーに掛かっている時はちょうど半々ですがが、着装すると、帯から下は上前の生地だけが前から見えるので、ちょっと違った印象になります。
そこがおもしろいとおもったのですが・・・、
袖の生地を交互に変えてみると、いろいろな生地をつぎはぎしながら着続けた昔の木綿着物の雰囲気に、少し近づくような感じがして、こちらも捨てがたい。
反物の色は、いつもの通り柿渋と草木を重ねたかなり渋めの色ですが、同じ反物1反で作るより、意外と目立つような気もします。
帯はアジアのジュート麻のような厚手の麻を、柿渋でしっかり染めてアンティークの帯のように細めに仕立てたものを選びました。
帯締めはピタッとはまるものがなく、1本では弱くて負けてしまいそうに思ったので、皮ひもと束ねて使ってみました。全体的に渋い色なので、帯締めの白がアクセントです。
半衿は淡い柿渋染めのストールを当ててみましたが、かえって普通の白の方が良かったかなとも思いました。
下は半衿なしでシルバーのネックレスと合わせてみました。こちらの方がすっきりしている。やっぱり袖も交互に変えない方がいいような気がしてきました。
次は帯の色を変えて、明るい朱色を選んでみました。
帯の色に負けないように半衿は人工的でビビッとな濃いピンク、これでかなり印象が変わったかな?
ところで、着物の袖のたもとの長さはどの位にしたらいいだろう?
片身変わり仕立ての場合、すっきりと見えるので、ふり袖ほどではないけれど、若干長めに作りたいような気がします。
2種類の雪花絞りの生地を組み合わせてギャザースカートを作りながら思いました。雪花絞りの着物を作る時も全部同じ生地で仕てるのではなくて、左右で違う生地を組み合わせてつくったらどうだろうか?と・・・・6mづつ染めてもいいし。そうすると小柄も染めやすくなるので、大柄と小柄を組み合わせてもいい。
今度仕立てる時はと思いながら延び延びになってしまっています。寸法もアンテイーク着物のように小さめに仕立てて、着物が日常着だった時代の人のようにゆったりと曲線的に、そして動きやすいように着てみたい!そんなふうにあれこれ考えながらなかなか進まないでいます。
最近ピンタレストで昔の着物姿を捜しながら、いろいろイメージしてはいるのですが・・・・ぼろぼろの元の生地がどれだかわからないぐらいつぎはぎをした木綿着物に心を惹かれます。
頂点染めの木綿反物の雪花絞りの地色を、出来るだけ鮮やかな勢いのある黄色に染めたい!そう思って柿渋下地はなるべく薄めにして、あまり柿渋の色が出ないように下染めしました。
えんじゅは5g 4回煮出した染液をすべて合わせて1反染めて乾かし、色の染まり具合を確かめました。まだ色が鈍いような気がしたので、もう1度5gのエンジュを同じように煮出して再び染めます。1回目よりかなり鮮やかになったので、色止めをして仕上げました。
1回目より染液の黄色がまだ残っているような気がしたので、もう1反いけるかなと思い、右の底辺染めの雪花絞りも染めてみました。こちらは木の葉から漏れる木漏れ日の雰囲気をイメージして染めました。うっすらと染まりましたが、やはりこれでは薄すぎると思ったので、もう1度5gを煮出して染め重ね、乾かして色を確認。このぐらいでちょうどいいかな?頂点染めの雪花絞りより柿渋の色は少し濃いめ、エンジュの黄色は少し控えめにして仕上げました。
いつもは粉末の西洋茜を使っていたのですが、今回根の西洋茜を煮出して染めてみました。60gで木綿の雪花絞り反物13mを3反染めました。
60gの西洋茜の根を2つに分けて30gづつそれぞれ3番液まで取ってから、さらに根をほぐして両方を合わせ、6回まで煮出すことが出来ました。まだ煮出せば少しは色が出そうな感じもしたのですが、あまり出がらしになると色が鈍くなりそうな気がしたのでこの辺でやめました。
茜は1番液よりも3番液4番液の方が色が澄んできてきれいです。後になるほど黄茶色系の汚れた色素が出なくなるからですが、あまり出がらしになると、色の勢いがなくなって、再びくすんだ色になるような気がします。いつもどこで煮出すのをやめるか迷ってしまうことが多いです。
反物の下地はいつものように薄めた柿渋にアルミ媒染です。
一番左の反物は柿渋下地の色を少し濃いめにして渋い色に染めました。
中央の反物は柿渋下地も少し濃くして、茜も1番液から3番液までの濃い染料を2回重ねました。
右は柿渋茜とも淡い色で軽い色目に仕上げてみました。
根の茜を使った方が1番液が濃くなり過ぎず、少しづつ調整しながら煮出していけるので、意外と粉末の茜より染めやすかったです。途中で根をつぶしたりするのが面倒かとも思っていたのですが、煮ているうちに柔らかくなるので、それほど大変ではありませんでした。
今までコーマ綿100バーセントの反物を染めていたのですが、やはり麻の方が染め上がりの濃淡がきれいに出るのではないかと思い、麻の反物を頼んでみようと思いたちました。
いつものところに問い合わせてみると、麻100パーセントは織っていないということだったので、横糸だけ麻で織った生地を試しにお願いしました。
比率は綿75パーセント麻25パーセントでした。
届いた生地をみると、麻混の方が生地が若干薄くてかすかな透け感がありました。昨年は反物1反の長さがきちんと揃っていなくて少し長いのや短いのが混じっていてやりにくかったので、今年は1反づつのカットで、縮み率も考えて13メートルより少し長めに揃えていただきました。
1反の重さを比較してみると、コーマ綿が566g 綿麻コーマが558gでした。
5列屏風だたみ、正三角形のパターンにたたんでしっかりと締めたところで三角柱の長さを比較してみると、麻混の方が若干短くなりました。コーマ綿が約39センチ、綿麻コーマが約37センチでした。
麻はシワが木綿のように縦横均一にならず、独特なシワが出来るので、角をきちんと揃えて畳むのが難しくなりますが、綿麻コーマの生地は折り目がつけやすくしかも薄手なので、綿100パーセントより楽なくらいでした。
ちなみに6列に畳んだらどうだろうと思って畳んでみると49センチ。支え棒を着けなければならない事を考えると、やっぱりいまある染色容器では若干長さが足りない。12.5メートルの反物だったらなんとか染められそうなのに(^∧^)
秋冬も温かく雪花絞りを着たい。そう思って綿入れみたいな雰囲気のバルーンスカートを作ってみました。
反物はそれぞれ205cmにカット。2枚を麻糸でくけ縫いにしてつなぎ、輪にして縫い合わせるところまでは夏の雪花絞りスカートと同じです。
裏地はインド綿のショール用の生地を2重にして使い、ボリューム感を出してみました。
裏地も裾周りは表地と同じにして、ずらして縫いつけるタイプのバルーンスカートです。どのくらいずらすか迷ったのですが、23cmに決めました。
裏地に使ったインド綿の生地は、普通の平織りではなくニットのような編みなのか、伸縮性が有って、1重だと少し頼りないように感じましたが、2重にすると意外とぼってりとした厚みと重量感が出ました。
バルーンスカートのはやっぱり帯が似合いそうな気がしたので、柿渋染めの麻の帯を結んでみました。
ジュート麻のような厚手のごわごわした生地ですが、麻100%は折り目をきれいにたたむのが難しく、どんな結び方にしようかと迷ってしまいました。結局一番簡単な片ばさみにしました。
彩りが欲しかったのでリサイクルの帯締めを結んでみました。赤と銀色だったのですが、少し汚れていたので洗ってインド藍で染め重ねてみたら、スカートの色とぴったりトーンが合いました。