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2012年10月31日 (水)

柿渋と草木の重ねの色 シルクストールの染色と販売に関すること

201210311237 草木と柿渋の重ね染めストール


 10月11月はイベント出展が多いので、シルクストールの染色に追われている。 シルクストールは軽くてあまりがさばらないので、移動販売にはうってつけだ。

 以前は1回か2回のイベントでだいたい売り切れる数だけ40~50枚づつ染めていたが、これではあまりに効率が悪い。イベント半ばで売れ筋のストールが足りなくなってしまい、売るチャンスを逃したと思ったことも時々あった。かなりの数もこなしたことだし、もう少し効率よく染める手順を工夫する必要があると思うようになった。

  使っている染料は限られている。柿渋西洋茜エンジュインド藍。媒染剤はアルミ媒染のみ。柿渋と3種類の草木の染料を少しづつ重ねてていくことで、何十種類もの色を染める。

 特に私にとって柿渋は無くてはならないものになっている。柿渋単独の色味を出す場合もあるが、それよりも、草木染めの色味を調整し、色のバリエーションを豊富にするために使うことの方が多い。いろんな種類の草木の色を試すのでは無く、使い慣れた限られた種類の染料を重ねていくことで、出来るだけたくさんの色を作る。これが私のやり方だ。

 柿渋は10倍以上の熱湯で薄めて、少しづつ浸みこませていく。乾いたらアイロンで熱を加えて、しわを伸ばす。生地が柿渋で硬くならないように、この作業を気長に繰り返す。撚りの甘い糸は少しづつ痩せて生地の透け感が増す。
 「せみのはね」とは本来張りのある薄く透き通るような織物のことを言う。染めのことではないのけれど、柿渋で糸が痩せて透けた生地から思いついてブログ名に登録してしまった。
 

 アジアの野蚕の手織り生地と柿渋の相性は抜群だ。国産の機械織りのシルクでは、柿渋の浸透が悪くてうまくいかない。

 柿渋は木綿の草木染ではタンニン下地としても使えるが、シルクの場合も草木染めの発色になにかしら影響しているのではないかと思う。
 柿渋を先に浸みこませてから草木の色を重ねるのと、草木で染めてから柿渋を重ねるのでは発色が微妙に違う。柿渋と草木を交互に重ねていくことも多い。

 薄めた柿渋を何回も重ねてから草木で染める場合は、表面に皮膜が出来るので、染料が浸透しにくくなる。この方法を思いついてから淡い色が染めやすくなった。淡い色で深みのある色を染めるのは難しかったのだが、柿渋と併用することでかなり良くなったと思う。

こうして何段階もの工程を経て染め重ねてていくので、下染めを少しづつやっていたのでは効率が悪い。柿渋の下染めは、100枚以上の単位でまとめてやってしまいたい。

 染め上がったストールは、柿渋で糸が痩せているので白生地の時よりだいぶ透け感がある。色の違う薄いストール生地を2枚重ねてみると、それぞれの色が透けて互いに影響しあい、さらに複雑な色に見せることが出来た。
 1枚のストールで何色も染め分けたり模様染めにしたりするより手間も省け、ボリューム感も出てかえって見栄えが良かった。
 色は相対的に見えるものだ。合わせる色によって類似色の色相の違いが強調されたり、渋めの色が鮮やかに見えたりする。色が響き合ってきらきらと輝く時はちょっと楽しくなる。

 昨年末ぐらいからそのことに気づき、ストール1枚当たりの値段を下げて、2枚セットで売ることを思いついた。
 ストールの流行も陰りが見えて売れ行きが落ち始めていたのを復活することが出来た。生地の仕入れの量も増えて値下げ交渉も出来たし、次はどんな手を打てばいいのだろう?
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せみのはねの雪花絞り

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     染めるたびに少しづつ違ってしまって狙った通りに染めるのが難しい雪花絞り。 いつか理想の雪花絞りを染めることを夢見て、雪花絞りの染色の記録を撮り続けています。

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