« 2010年9月 | トップページ | 2010年11月 »

2010年10月

2010年10月28日 (木)

続長尺の雪花絞り

 201010231040  201010251715

 こちらは三角形に折りたたんだ生地の頂点を染液に浸して染める雪花絞り。

 こちらの方も生地を染液に浸す前に、水ではなく、ハイドロと苛性ソーダの混合液に強力浸透剤ネオコールSWを加えた溶液を吸収させた。やはり最初に水だけを吸収させて染めた雪花絞りより、くっきりと濃く染まった。

右の画像の雪花絞りは、ハイドロと苛性ソーダ、それに浸透剤を加えた混合溶液を生地に少量吸収させてから、1時間以上経過してから染めた。
 時間の経過とともに生地全体に浸透剤がひろがるので、もしかすると染料の浸透が良くなるのではないかと思った。しかし、水分も全体に広がってしまうので、やはり染料の入れるところが少なくなったようだ。花びらの形が痩せ形になった。

 左の画像の雪花絞りは浸透が良かった。こちらは、花びらの形の中に境界線のようなグラデーションが出来た。これが出来たり出来なかったりするのはなぜなのか?相変わらず解からないが、1回の染めだけでこれだけ複雑な濃淡が出るのはうれしい。これはもっと大柄でも試してみたいと思う。

 

 

2010年10月26日 (火)

長尺の雪花絞り

 雪花絞りは、染料を浸透させた後、クランプで水気を絞ってから板をはずして水洗いをすると、模様がにじまず安心して布を拡げることが出来た。

201010221537_2
 そこで、今回は手ぬぐい用の晒ではなく、浴衣の晒生地で、長尺の雪花絞りを染めてみることにした。

 浴衣の生地は手ぬぐい用の晒より少し幅が広く、細番手の糸で織られている。

 手ぬぐい用の晒はぼってりと厚みがあり、ふかふかしていて折りたたむと少しがさばるが、浴衣用の晒は、もっと感触がさらさらしていて、どちらかというとこちらの方が畳みやすい。

201010231352 現在雪花絞り用の染料液を入れるのに使っている容器は、280mm×135mm×95mm。

 この容器で4列屏風だたみなら1反、6列屏風だたみなら2分の1反、5列屏風だたみなら3分の2反染めることが出来る。

 ロート油は使っても使わなくてもほとんど効果があるとは思えなかったので、今回は強力浸透剤ネオコールSWを少量染液に追加した。

201010231109_6  前回の実験で、板締めした布を染液に浸す前に少量の苛性ソーダとハイドロの溶液を吸い込ませると浸透が良くなることが解かった。

 この溶液にもネオコールSWを少量加えてみた。

 この浸透剤もかなり効果があるようだ。染液は緑色になって吸い上げられていった。

201010230735_2 染液を吸い上げて重くなった布を洗い、余分な染料が自然に落ちていくのを待つ。

 1時間以上待ってから、クランプで板締めの布にさらに圧をかけ、少しずつ水分と空気を絞って抜いていく。

 ここでクランプを使わないでタオルで水分だけを拭き取ってしまうと、空気が入ってしまい汚い発色むらの原因になる。以前タオルで水分だけを拭き取ってしまい、大失敗したことがある。

 クランプで精いっぱい絞ってからタコ糸をほどいて板を外す。この段階でも中はまだ完全には酸化していない。ここでも空気酸化してしまうと発色むらになりやすいので、素早く水洗いしながら布を拡げる。完全に酸化するまでは気が抜けない。

201010241513  右は4列屏風だたみの雪花絞り。何とか浴衣1反分染めた。

 冒頭の雪花絞りは6列屏風だたみ、この染まり方だとこちらの小柄の方がきれいだ。大柄の4列屏風だたみの方はもっと藍の濃淡の幅が広がる様にしたい。単調な感じになってしまった。

 いまだになかなか自己満足な雪花絞りが染められないが、クランプを使うようになってから、染料がにじんで模様がつぶれてしまうという失敗はなくなった。
 最近は模様がくっきり染まりすぎて、最初のころの染めのような柔らかさが失われてしまったような気がする。

 染液の調整についてはまだ研究の余地がありそうだが、染液に浸す前の少量の水、これに加える浸透剤や苛性ソーダなど、こちらの調整の方がむしろ染色結果に大きな影響を及ぼすようだった。

 

  

2010年10月 1日 (金)

雪花絞りの実験10

 今回は、一つ新しい発見をすることが出来た。

 今までは折りたたんで板で締めた布を染液に半分ほど沈める前に、三角形の底辺を少し水に浸けていた。そうすることで雪花絞りの染め上がりの色に濃淡の変化をつけることが出来る。

 これを水ではなく苛性ソーダやハイドロの溶液にしたらどうなるだろうか?そうすれば染液のpH値や、ハイドロの分量を極端に増やさなくても染液の浸透をよくすることができるのではないだろうか?

 pH値やハイドロの分量をあまり多くしてしまうと、いくら染液を濃くしても、染料が流れてしまい濃く染まらない。少なくすると染料の浸透が悪くなり白場の少ない雪花絞りが染められない。そこで思いついたのが、あらかじめ、ハイドロと苛性ソーダの混合液を水の代わりに少量浸透させておくことだ。

 さっそく試してみた。予想以上の効果があった。

 201009282240_2

 左がハイドロと苛性ソーダの混合液を少量吸いこませてから染液に半分ほど浸して染めた雪花絞りだ。 今までになく、濃色に染まって、染料の浸透もかなり良かった

 右は染液のハイドロと苛性ソーダの分量を多くして染めた雪花絞りだ。浸透は良いがかなり色が薄い。

 ハイドロと苛性ソーダの混合液が予想以上の効果を発揮したので、つぎは苛性ソーダ溶液だけにして、ハイドロを入れなかったらどうなるだろうか?と思って試してみた。

 下の左側の雪花絞りが、苛性ソーダ溶液を少量浸透させてから上の左側の雪花絞りと同じように染液に浸したものだ。三角形のパターンの底辺の部分と側面の部分で濃淡の色が分かれてくっきり染まった。

201009302144
 確認のため、最初に少量の水を吸わせてから染液に浸すいつもの雪花絞りも染めてみたのが右側だ。ただしこの時、染液にハイドロと苛性ソーダを追加した。柔らかい感じになったが、左に比べると輪郭がぼやけてシャープさがない。

 ここで染液に苛性ソーダとハイドロを追加しなければ「雪花絞りの実験6」と同じように染まったはずだ。追加したことで実験6よりは染料の浸透が良くなったが、水を吸わせてから染める雪花絞りは、実験6の染め上がりの方がバランスが良いような気がする。

 今回は染色後、クランプを使って絞ってから、板を外すようにした。前回の実験からこの方法に切り替えたのですが、やはり染色後の作業時間を大幅に短縮することができた。模様がにじんでつぶれてしまうという失敗もなくなった。

 前回の実験では、まだクランプの使い方に慣れていなかったので、期待したほどの効果はないと思ってしまっていた。いままで、染色後、染料がにじんでしまうのが心配で、洗い過ぎていたようだ。これもかえって染料がにじんだり薄くなってしまう原因になっていた。

 今回の小さな発見とクランプのおかげで、やっと堂々巡りのトンネルから抜け出すことができた。これだけの事に気がつくのに何と1年かかった。今まで染料と水、そして時間をずいぶん無駄に使ってしまった様な気がする。

 これからは長尺の雪花絞りも安心して染められる。やっと染浴の状態と、染色結果の因果関係が少しだけ解りかけてきた。

 

« 2010年9月 | トップページ | 2010年11月 »

フォト

せみのはねの雪花絞り

  • Dsc_45141_2
     染めるたびに少しづつ違ってしまって狙った通りに染めるのが難しい雪花絞り。 いつか理想の雪花絞りを染めることを夢見て、雪花絞りの染色の記録を撮り続けています。

天然染料、草木染め

無料ブログはココログ