« 雪花絞りの実験9 | トップページ | 長尺の雪花絞り »

2010年10月 1日 (金)

雪花絞りの実験10

 今回は、一つ新しい発見をすることが出来た。

 今までは折りたたんで板で締めた布を染液に半分ほど沈める前に、三角形の底辺を少し水に浸けていた。そうすることで雪花絞りの染め上がりの色に濃淡の変化をつけることが出来る。

 これを水ではなく苛性ソーダやハイドロの溶液にしたらどうなるだろうか?そうすれば染液のpH値や、ハイドロの分量を極端に増やさなくても染液の浸透をよくすることができるのではないだろうか?

 pH値やハイドロの分量をあまり多くしてしまうと、いくら染液を濃くしても、染料が流れてしまい濃く染まらない。少なくすると染料の浸透が悪くなり白場の少ない雪花絞りが染められない。そこで思いついたのが、あらかじめ、ハイドロと苛性ソーダの混合液を水の代わりに少量浸透させておくことだ。

 さっそく試してみた。予想以上の効果があった。

 201009282240_2

 左がハイドロと苛性ソーダの混合液を少量吸いこませてから染液に半分ほど浸して染めた雪花絞りだ。 今までになく、濃色に染まって、染料の浸透もかなり良かった

 右は染液のハイドロと苛性ソーダの分量を多くして染めた雪花絞りだ。浸透は良いがかなり色が薄い。

 ハイドロと苛性ソーダの混合液が予想以上の効果を発揮したので、つぎは苛性ソーダ溶液だけにして、ハイドロを入れなかったらどうなるだろうか?と思って試してみた。

 下の左側の雪花絞りが、苛性ソーダ溶液を少量浸透させてから上の左側の雪花絞りと同じように染液に浸したものだ。三角形のパターンの底辺の部分と側面の部分で濃淡の色が分かれてくっきり染まった。

201009302144
 確認のため、最初に少量の水を吸わせてから染液に浸すいつもの雪花絞りも染めてみたのが右側だ。ただしこの時、染液にハイドロと苛性ソーダを追加した。柔らかい感じになったが、左に比べると輪郭がぼやけてシャープさがない。

 ここで染液に苛性ソーダとハイドロを追加しなければ「雪花絞りの実験6」と同じように染まったはずだ。追加したことで実験6よりは染料の浸透が良くなったが、水を吸わせてから染める雪花絞りは、実験6の染め上がりの方がバランスが良いような気がする。

 今回は染色後、クランプを使って絞ってから、板を外すようにした。前回の実験からこの方法に切り替えたのですが、やはり染色後の作業時間を大幅に短縮することができた。模様がにじんでつぶれてしまうという失敗もなくなった。

 前回の実験では、まだクランプの使い方に慣れていなかったので、期待したほどの効果はないと思ってしまっていた。いままで、染色後、染料がにじんでしまうのが心配で、洗い過ぎていたようだ。これもかえって染料がにじんだり薄くなってしまう原因になっていた。

 今回の小さな発見とクランプのおかげで、やっと堂々巡りのトンネルから抜け出すことができた。これだけの事に気がつくのに何と1年かかった。今まで染料と水、そして時間をずいぶん無駄に使ってしまった様な気がする。

 これからは長尺の雪花絞りも安心して染められる。やっと染浴の状態と、染色結果の因果関係が少しだけ解りかけてきた。

 

« 雪花絞りの実験9 | トップページ | 長尺の雪花絞り »

雪花絞りの実験」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1284056/36996289

この記事へのトラックバック一覧です: 雪花絞りの実験10:

« 雪花絞りの実験9 | トップページ | 長尺の雪花絞り »

フォト

せみのはねの雪花絞り

  • 20180530_100543_2_992x1024
     染めるたびに少しづつ違ってしまって狙った通りに染めるのが難しい雪花絞り。 いつか理想の雪花絞りを染めることを夢見て、雪花絞りの染色の記録を撮り続けています。

天然染料、草木染め

無料ブログはココログ