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2010年5月

2010年5月29日 (土)

雪花絞りの板締め作業

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雪花絞りの染色前の工程です。

 右が5列屏風だたみ4メートル 左が六列屏風だたみ3メートルの晒しを正三角形のパターンにたたんで板で締めたものです。

 雪花絞りを染めるためには、折りたたんだ三角形のパターンの形とぴったり合う2枚一組の板が必要です。

 布が乾いた状態のまま板で締めて、たこ糸でしっかりと固定します。

 布は湿った状態の方が空気ガ抜けて締めやすくなるのですが、雪花絞りは乾いた状態のまま染色するので、このときにしっかり締めておかないと、染料を吸い上げてから糸がゆるんでしまい、洗う時に困ります。

 これだけの長尺になると、しっかりと板で締めあげるのに、ちょっとしたコツが有ります。

               

  1. 板で締めるまえに、折りたたんだ布が崩れないようにたこ糸で仮留めしておきます。このとき折り山がきれいにそろうように、形を整えます。
  2. 仮留めした糸を少しづつきつくしていきます。最初はふわふわしてまとめにくかった布に、しっかり折り目がついて、だんだん形が崩れにくくなってくると締めやすくなります。
  3. 分厚くたたまれた布が弾力性を失って硬く感じられるくらい強く締めていきます。最初に畳んであった時よりずいぶん小さくなった感じがします。
  4. 両側に板をあて、たこ糸で締め上げます。仮留めしていた糸を抜きます。
    仮留めしたタコ糸は外さず、たたまれた布を板で押すようにしながら、板を片方づつはさみこんでいきます。
     この段階で、たたまれた布が弾力性を失ってかなり固く感じられるようになります。
     糸が外れないように板のところに三角形に別糸を渡します。ここでもある程度締め加減を調整することができます。

 この方法で段階を追って少しづつ締め上げていくと、比較的労力も少なく楽にきつく締め上げることが出来ます。(このような細かい事まで技法書には書いてありませんし、まったくの自己流ですが)

 雪花絞りの染色結果はこの板の締め加減も影響してくるとは思う。しかし作業工程から考えると、極端にゆるく締めるということはあり得ない。したがって、染色結果にもっとも大きな影響を及ぼすのは染液の状態の変化だとほぼ確信した。

 ハイドロの効力やアルカリ濃度は染めるたびに変化するし、時間の経過も影響してくる。まったく同じパターンで染めてもなかなか安定して同じように染まらない雪花絞りの難しさは、ここにあるに違いない。

2010年5月19日 (水)

続雪花絞りの実験4

04515_2  

 

 この雪花絞りはすべて、水を吸わせずに、最初から染液に半分ほど沈めて染めました。

 

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 新しく建てたインジゴピュアで染めたので、前回の「雪花絞りの実験4」の2点の雪花絞りより、染液のアルカリ濃度が高くなっています。

 いちばん下の左の雪花絞りが最初に染めたもので、染液のアルカリ濃度が高く、色が少し薄くなってしまったと思ったので湯を足しました。

 他の3点の方が湯を足した分だけ染液が薄くなっているのですが、アルカリ濃度も薄まっているので、藍の色はかえって濃くなっています。

  この3点は、少しづつ畳んで締めた三角形の布を、染液に浸す深さやスピードを変えてみまそた。

 下の右と2番目は三角形の半分ぐらいまで染液に沈めましたが、下の右側方が沈める速度がはやかったと思います。 1番上は半分よりもう少し深く染液に浸し、沈める速度は早めにしました。

 
 

 今回の「雪花絞りの実験4」では、染液のアルカリ濃度が高い方が、染料の浸透が良く、白場の少ない雪花絞りが出来るのではないかという事に気がつきました。 しかしアルカリ濃度が高いと染料を濃くしても、ほとんど流れてしまいなかなか濃くならない上に、酸化に時間がかかり発色むらが出来やすい。どうしたら良いのだろうか?

 「雪花絞りの実験3」では少量の水を吸わせてから染液に浸し、「雪花絞りの実験4」では最初から染液に浸して染めてみました。
 どちらかというと水を吸わせてから染液に浸すほうが藍の濃淡の幅がひろがって面白みがあるような気もするのですが、染色結果からみて、たぶん昭和のおしめの雪花絞りなどは、最初から水を吸わせずに染液に浸すほうが一般的なんじゃないだろうか。

 京都書院 「日本の絞り」の図版の、あのあこがれの雪花絞りは普通のおしめの雪花絞りとはぜんぜんグレードが違う。どうしたらあんなにきれいに染まるのだろう。今回もあの雪花絞りには近づけなかった。

 

2010年5月15日 (土)

雪花絞りの実験4

 「雪花絞りの実験3」では、思い描いている染色結果より白場が多くなってしまった。そこで、折りたたんで板で締めた晒しを、全く水につけずに最初から染料を浸透させて様子を見てみることにした。
 
 何年も前のことだったと思うが、そうしてみたところ全体に藍がにじんで模様がつぶれてしまったことがある。それ以来、雪花絞りはいったん水を少量吸わせてから染液を浸透させるものだと思いこんでいた。
 しかし理屈から考えると、最初から染液にいきなり沈めても模様は出来るはずだ。正三角形の底辺と左右の辺の三方から浸透した染料が出会う境界線、そこに白い線が現れるはずだ。
 あの時、ぜんぶ藍でつぶれてしまったのは、板の締め方が弱すぎたからではなかろうか?

 いまのところ雪花絞りの板の締め加減は、自分の力で締められる精一杯の力加減といったところだろうか。特別の道具などを使って強く締めすぎてしまうのも良くない。弱すぎると洗っている途中で糸がゆるんでしまって、にっちもさっちもいかなくなる。とくに長尺の場合はきちんと締めておかないと後で困る。

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 まずは無難な染まり方になった。しかし最初に水を吸わせなかったからといって、白場が減ったわけではなっかた。

 京都書院美術双書「日本の絞り」の中にある雪花絞りの図版、あのあこがれの雪花絞りには相変わらず近づけなかった。

 だいたい三角形の半分ぐらいまで染液の中に沈めて染料を吸い上げさせた。もう少し深く沈めたほうが「日本の絞り」の本の中の「雪花絞り」に近くなったのではないだろうか。

 今回は「雪花絞りの実験3」の余りの染料を使ったので、染料がこの時点で無くなってしまい、実験はここで中断した。染液は時間がたっているので、前回より少し酸化していたかもしれない。

 染料の浸透は良好で、酸化するのもいつもよりはやく、作業が楽だった。染液の状態の変化も影響しているのかもしれないが、まったく乾いた状態で染料を吸わせたほうが、はやく酸化するようだ。

2010年5月 6日 (木)

雪花絞りの実験3 

 雪花絞りの染浴について インジゴピュアの原液1リットルの作り方

  • インジゴピュア 10g
  • 苛性ソーダ液 250cc
  • ハイドロサルファイト 25g

 この割合で全体が1リットルになるように湯を入れて表面をラップで被っておく。

 湯700ccで原液を薄め、ロート油を足して50℃~55℃に保温し、染色しました。この比率で染めたところ、染料の吸い上げは良好でした。

 今回は、なるべく白場の少ない雪花絞りをめざしました。お手本にしているのは、「京都書院美術双書 日本の染織11 日本の絞り」 87ページ雪花絞り部分の図版です。
 これはたぶん何年も前に六本木ラフォーレの「日本の藍」の展示会で見た 4列屏風だたみ正三角形のパターンの雪花絞りの浴衣(昭和初期)と同じ物ではないかと思うのですが、どこの所蔵品なのかわかりません。 

               今回染めた雪花絞りはこんな感じになりましたsmile Photo_2  
 これはこれで雪花絞りとしては通用するんじゃないかと思いますが、めざしているお手本とは全く違うものになりました。
 雪花絞りの理想は、1度の染色 1色の染料で、どれだけ濃淡の幅のある複雑な染めが出来るかということ。それがまず基本だと思っています。絞り染めとしては例外的に白場の少ない染めの方がむずかしい。

 今回染めた雪花絞りの一つ一つは「雪花絞りのアルバム」に記録しました。

 もっとお手本に近づける様にするには、染液に浸す前に少量の水につける時間をもっと少なくした方がよいかも知れない。

 それと染液に3分の2ぐらいまで沈める時の速度。速いと花形が太り、遅いと花形が痩せる。速度をコントロールする事で、花形を意図的に調節する事が出来るはずだが、なかなか思い通りにならない。意識すると緊張してしまうのか、手がふるえてしまったりして動きがスムーズにならない。
 
 染めた後はブラシでごしごしこすりながら余分な染料を落とし、側面を完全に酸化させる。それから3~4時間は経過してから布を開いた方が良いのではないかと思うが、どのぐらいの時間が適当なのかまだ良くわからない。
 すぐに染織結果を見ることが出来ないのがつらい。時間が長すぎるとハイドロの作用で部分的に脱色してしまったりするようだ。

 この段階ではまだ布の中の方までは酸化していない。たっぷりの水の中で布を開いて水中酸化させる。

 とにかく数をこなすしかない。次回は、布を染液に沈める時の速度に注意してみようと思う。

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フォト

せみのはねの雪花絞り

  • Dsc_45141_2
     染めるたびに少しづつ違ってしまって狙った通りに染めるのが難しい雪花絞り。 いつか理想の雪花絞りを染めることを夢見て、雪花絞りの染色の記録を撮り続けています。

天然染料、草木染め

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